📢 この記事について:数字や制度の解説ではなく、20代経営者としての本音を書いた記事です。
れん|20代経営者
20代で起業した株式会社代表(法人3期目)。会社と個人のお金で迷ったこと・失敗したことを発信しています。▶ 詳しいプロフィール
経営者になった頃、「人脈が大事」という言葉を真に受けて、いろいろな交流会や勉強会に顔を出していた時期があります。名刺をたくさん配って、たくさんもらって、SNSでも繋がって。でも、家に帰るとどっと疲れて、翌日には交換した名刺の顔もほとんど思い出せない。これ、意味あるのかな、とずっとモヤモヤしていました。
交流会の場では、みんな少しずつ自分を大きく見せています。うまくいっている話、これから伸びる話、有名な誰々と知り合いだという話。僕も、聞かれれば事業のことを実際より少し景気よく話してしまう。悪気があるわけではなくて、その場の空気がそうさせる。でも帰り道に、なんとも言えない虚しさが残る。本音を一切話していない集まりで、いくら名刺を集めても、それは繋がりと呼べるんだろうか、と。
しばらくして気づいたのは、僕が求めていたのは「人脈」ではなく「本音で話せる相手」だった、ということです。ビジネスに繋がる知り合いが100人いても、資金繰りの不安を正直に打ち明けられる相手が1人もいなければ、経営者の孤独は少しも埋まらない。むしろ、上辺の繋がりが増えるほど、本音を言えない相手のリストが長くなるだけでした。
それに気づいてから、交流会に数で参加するのをやめました。代わりに、たまたま気が合った経営者ひとりふたりと、少人数でゆっくり話す時間を大事にするようにした。人数は圧倒的に減ったけれど、満足度はまるで違う。「実は今月きつくて」とか「あの判断、失敗だったかも」とか、そういう格好悪い話ができる相手が数人いるだけで、経営はずいぶん楽になりました。
ここで学んだのは、繋がりは「数」ではなく「深さ」で効いてくる、ということです。困った時に本当に相談できるのは、名刺の枚数ではなく、弱いところを見せ合える関係の深さ。そして深い関係は、大きな会場では生まれにくい。景気のいい話を披露し合う場では、誰も弱みを見せないからです。
もちろん、交流会を全否定したいわけではありません。新しい情報を仕入れたり、たまたまいい出会いがあることもある。ただ、「人脈を広げなきゃ」という焦りだけで数を追うのは、少なくとも僕には向いていなかった。自分がその場から何を得たいのかが曖昧なまま参加すると、時間と気力を消耗するだけで終わる。
今は、誘われたら「そこで自分は何を話したいか」を先に考えます。本音を話せそうな相手がいる場なら行く。名刺交換がゴールの場なら、無理に行かない。付き合いの数を減らして、深さに賭ける。人脈を広げることより、格好悪い自分を見せられる相手を数人持つこと。それが、孤独になりがちな経営者にとって、いちばん効く投資だと今は思っています。

