独立して初めての国保の請求書を見て、固まった話|「守られていた」に後から気づいた

経営・起業

📢 この記事について:数字や制度の解説ではなく、20代経営者としての本音を書いた記事です。

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れん|20代経営者

株式会社代表(3期目)。法人の節税・固定費管理の実務を発信しています。▶ 詳しいプロフィール

会社員を辞めて独立した後、忘れられない瞬間があります。国民健康保険の請求書が届いて、その金額を見た時です。正直、固まりました。会社員時代、健康保険料は給与から天引きされていて、しかも会社が半分払ってくれていた。その事実を、頭では知っていても、実感としては全然分かっていなかったんです。

会社員の頃、給与明細の控除欄はほとんど見ていませんでした。手取りだけを気にして、そこから何がどう引かれているかには無関心だった。社会保険料の半分を会社が負担してくれていること、その手続きを全部会社がやってくれていること。当たり前すぎて、ありがたさに気づく余地すらなかった。独立して、その「当たり前」が全部自分に降りかかってきて、初めて自分がどれだけ守られていたかを知りました。

国保だけじゃありません。年金の手続きも、税金の申告も、会社員時代は会社が代わりにやってくれていた。独立すると、それを全部自分でやる。手続きの煩雑さもさることながら、「これ全部、今まで誰かがやってくれていたんだ」という事実の重みが、じわじわ効いてくる。独立の自由には、こういう見えないコストが山ほどついてくるんだと、請求書の束を前にして痛感しました。(この「初日から何もかも自分で決めなければいけない」感覚については、独立初日、何をすればいいか分からず一日が終わった話でも書きました。)

ただ、この経験は、後ろ向きな学びだけでは終わりませんでした。むしろ僕は、これをきっかけに「見えているお金」と「見えていないお金」の両方を意識するようになりました。会社員の手取りは、実は会社が裏で負担している分を差し引いた後の数字です。額面と手取りの差、そのさらに裏にある会社負担分。この全体像が見えていないと、独立後の生活設計を大きく見誤る。独立して手取りが増えたように見えても、守られていた部分が消えている分を計算に入れないと、後で苦しくなる。

今、役員報酬を月8万円に抑えているのも、この時の学びと無関係ではありません。社会保険料は報酬額に連動します。仕組みを一度、身をもって理解したからこそ、報酬の設計を制度と絡めて考えられるようになった。あの国保の請求書のショックがなければ、たぶんここまで真剣に社会保険の構造を調べることはなかった。痛い思いをした分、制度への解像度が上がったのは、間違いなく財産です。役員報酬の水準については、役員報酬の水準を銀行融資の面談で指摘された話や、従業員より自分の役員報酬が低い、という事実をどう受け止めているかでも詳しく書いています。

独立を考えている人に、僕はいつも「守られていた部分を先に把握しておいたほうがいい」と伝えます。自由になることばかりに目が行きがちだけど、自由と引き換えに、それまで会社が肩代わりしてくれていたコストと手間が、全部自分に返ってくる。それを知らずに飛び出すと、最初の請求書で僕のように固まることになる。

会社員は、たしかに窮屈な面もあります。でも、見えないところで守られてもいた。その両面をフラットに見られるようになったのは、独立して痛い目を見たからです。守られていた過去を懐かしむのでもなく、独立を美化するのでもなく、両方の現実を数字で把握する。それが、独立後の生活を地に足つけて設計する、いちばんの土台になりました。

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