会社を始めると、売上を作ることばかりに意識が向きがちです。もちろん売上は大切です。ただ、実際に小さな会社を経営していると、それと同じくらい重要だと感じるのが「会社のお金をどう管理するか」です。
売上はあるのに、
- 今月いくら使ったんだっけ?
- この支払いは会社?個人?
- 税金を払ったら、あといくら残る?
- 口座残高はあるけど、本当に使っていいお金なのか分からない
こんな状態になると、経営判断そのものがかなり難しくなります。逆に言えば、小さな会社ほど最初にお金の流れをシンプルにしておくと、その後の経営がかなりラクになります。
今回の「今日のネタ🍣」では、私が小さな会社を運営する立場から考える、小さな会社が最初に整えておきたい「お金の管理」5ステップを紹介します。
難しい財務知識は必要ありません。まずは「完璧に管理する」よりも、お金の流れが分かる状態を作ることから始めるのがおすすめです。
👤 れん|小さな会社の実務ラボ
小さな会社を経営しながら、会社のお金・経理・業務サービス・AI活用について実際に試し、実体験ベースで発信しています(20代で起業した株式会社代表・法人3期目)。
▶ 詳しいプロフィール
小さな会社ほど「お金の管理」を先に整えた方がいい
会社のお金で一番怖いのは、利益が出ていないことだけではなく、お金の状況が分からないことだと思っています。
たとえば、売上が100万円入っていても、
- 家賃
- 人件費
- サービス利用料
- 借入返済
- 税金
- クレジットカードの引き落とし
などを考えると、100万円すべてを自由に使えるわけではありません。それなのに口座残高だけを見て、「まだこれくらいあるから大丈夫」と判断してしまうと、数か月後に一気に苦しくなることがあります。
特に小さな会社は、大企業のように経理担当者や財務担当者がいるとは限りません。経営者自身が、売上を作る人でもあり、お金を見る人でもあるというケースが多いです。
だからこそ、細かい財務分析を始める前に、お金を迷わず確認できる仕組みを作っておくことが大切だと感じています。
STEP1|会社用の銀行口座を中心にする
まず最初に整えたいのが銀行口座です。会社のお金と個人のお金が混ざると、後から確認する作業が一気に増えます。会社に関係する入出金は、できるだけ会社用口座に集約しておく方が管理しやすくなります。
たとえば、
- 売上の入金
- 家賃
- SaaS
- 通信費
- 税金
- 外注費
- カード代
- 借入返済
などです。ポイントは、口座をたくさん作ることではありません。むしろ最初は増やしすぎない方がいいと思っています。
私なら、「まずメイン口座を1つ決める」ところから始めます。会社が大きくなって、税金用・貯蓄用・店舗別・事業別などに分ける必要が出てきたら、その時点で増やせば十分です。
最初から複雑な資金管理を作るより、会社のお金がどこにあるのか、一瞬で分かることの方が重要です。
STEP2|会社用クレジットカードを分ける
次にやっておきたいのが、カードの分離です。会社の経費を個人カードで支払っていると、カード明細を見たときに、「これは会社」「これはプライベート」と毎回判断しなければいけません。
1件ずつなら大したことはありません。ただ、それが毎月何十件も発生するとかなり面倒になります。そのため、会社で使うものは会社用カードにまとめてしまう方がラクです。
カード選びでは、
- 年会費
- 利用限度額
- 明細の見やすさ
- 会計ソフトとの連携
- 追加カード
- ポイント
などを見ますが、私ならまず、「経理が簡単になるか」を最優先にします。
STEP3|会計ソフトを早めに導入する
会社のお金を管理するなら、会計ソフトもできるだけ早めに入れておいた方がラクです。もちろんExcelなどで管理することもできます。
ただ、銀行口座・クレジットカード・売上・経費・請求書などが増えてくると、手作業では徐々に厳しくなります。特に今のクラウド会計ソフトは、銀行口座やカードの明細を取り込めるため、毎回すべてを手入力する状態を減らせるのが大きなメリットです。
そしてもう1つ大事なのが、後からまとめてやろうとしないこと。これ、本当におすすめしません。数か月分の領収書や取引をまとめて整理するのはかなり大変です。
最初から、「毎週○曜日に確認する」「毎月月初にチェックする」などルールを作っておく方が圧倒的にラクです。
国税庁によると、法人は取引を記録した帳簿や関連書類を、確定申告書の提出期限の翌日から原則7年間保存する義務があります(欠損金の繰越控除を行う事業年度などは10年間)。つまり、経理は決算前だけやる仕事ではなく、普段から少しずつ整えておくものだと考えた方がいいです。
STEP4|毎月の固定費を一覧にする
次にやってほしいのが、毎月自動的に出ていくお金を全部書き出すことです。たとえば、
- 家賃
- 通信費
- 保険
- 会計ソフト
- Google Workspace
- Microsoft 365
- ChatGPT
- Claude
- その他SaaS
- サーバー
- ドメイン
- 広告費
- 顧問料
- FC費用
などです。ここで大事なのは、1つ1つの金額より、合計を見ること。月980円のサービスは小さく見えます。でも、980円、1,500円、2,000円、3,000円、5,000円と積み重なると、年間ではかなり大きな金額になります。
小さな会社をやっていて思うのは、売上を1万円増やすより、不要な固定費を1万円削る方が早いことがあるということです。しかも固定費を1万円削れば、その効果は基本的に翌月以降も続きます。
だから私は、「売上を増やす」だけではなく、「利益が残る構造にする」ことも同じくらい重要だと思っています。
ただし、必要なサービスまで削るのは逆効果です。時間を大きく削減してくれるAIや業務サービスなら、月額料金以上の価値がある場合もあります。判断基準は、「高いか安いか」ではなく、「払っている金額以上の価値を生んでいるか」です。
STEP5|資金繰りを「見える化」する
最後が一番重要です。未来のお金を見ること。
会計ソフトを見ると、「先月いくら売れたか」「どれくらい利益が出たか」は分かります。でも経営で本当に知りたいのは、これから会社のお金がどう動くかです。
そこで、簡単でいいので資金繰りを確認します。最低限、
- 現在の現金(銀行口座に今いくらあるか)
- 今後入る予定のお金(売上入金・売掛金・その他入金)
- 今後出ていく予定のお金(固定費・給与・カード支払い・借入返済・税金・大きな支出)
これだけでも、「3か月後にいくら残りそうか」がかなり見えるようになります。日本政策金融公庫は、融資審査や経営改善計画の作成に使える資金繰り表のフォーマットを公式サイトで公開しています。慣れないうちは、こうした既存のフォーマットに沿って作る方が早いです。
私自身、経営では「利益」と「手元のお金」は別で考えることがものすごく大切だと思っています。帳簿上利益があっても、入金前だったり、大きな支払いが近かったりすれば安心できません。反対に、一時的に口座残高が多くても、税金などの支払い予定を考えれば全部使えるお金ではありません。
だから、残高を見るだけでなく、未来を見る。これが小さな会社のお金管理ではかなり重要です。
私が思う「小さな会社のお金管理」で一番大切なこと
そして、小さな会社ほど、「人が頑張って管理する」のではなく「仕組みで管理する」ことを意識した方がいいです。
口座を分ける。カードを分ける。会計ソフトと連携する。定期的に固定費を見る。資金繰りを確認する。一度仕組みを作ってしまえば、その後の経理作業がかなり減ります。
AI活用も同じです。毎回AIにゼロから指示するより、指示書を作った方がラクなのと同じで、会社のお金も、「毎回考える」状態から「自然に整理される」状態に変えていく。私は、小さな会社を運営するうえで、この考え方がかなり大事だと思っています。
今日からやるなら、この3つだけでOK
全部一気にやらなくても大丈夫です。まず今日、
- 会社で毎月払っているものを書き出す
- 会社と個人のお金が混ざっていないか確認する
- 3か月先までの大きな支払いを書く
この3つだけやってみてください。これだけでも、「会社のお金がよく分からない」という状態からかなり前進します。
まとめ|小さな会社は「お金の仕組み」を先に作ろう
今回紹介した5ステップは、
- 会社用の銀行口座を中心にする
- 会社用カードを分ける
- 会計ソフトを導入する
- 固定費を一覧にする
- 資金繰りを見える化する
です。難しいことはありません。重要なのは、お金の管理を経営者の記憶に頼らないこと。小さな会社だからこそ、シンプルな仕組みを一つずつ作る。
そうすると、お金の不安が減って、本来やるべき売上づくりやサービス改善にも時間を使えるようになります。会社のお金も、一気に完璧にする必要はありません。一貫ずつ、整えていきましょう🍣

