📢 この記事について:数字や制度の解説ではなく、20代経営者としての本音を書いた記事です。
れん|20代経営者
20代で起業した株式会社代表(法人3期目)。会社と個人のお金で迷ったこと・失敗したことを発信しています。▶ 詳しいプロフィール
会社員だった頃は、金曜の夜が世界でいちばん好きでした。仕事から完全に切り離される二日間があって、月曜の朝にまた戻る。オンとオフがはっきり分かれていて、そのリズムで生活が回っていた。
経営者になって、そのリズムが完全に消えました。土曜日でも頭の隅で来月の資金繰りを考えているし、旅行先でもスマホの通知が気になる。完全にオフになる瞬間が、もうどこにもない。最初はこれが辛くて、「ちゃんと休まないと」と自分に言い聞かせていました。オンオフを分けられない自分は、時間管理ができていないダメな経営者だと。
でも、いくら意識しても分けられない。休みの日にパソコンを閉じても、頭は勝手に事業のことを考えている。ある時ふと、これはもう「分けられない」のではなく「分ける前提が間違っている」のかもしれないと思いました。会社員の働き方は、他人の事業に自分の時間を売っているから、オンとオフを分ける必要がある。でも自分の事業は、自分の生活そのものと地続きです。切り離すほうが、むしろ不自然なんじゃないかと。
そこで発想を変えました。オンとオフを時間で分けるのをやめて、「消耗する時間」と「回復する時間」で分けることにしたんです。同じ仕事のことを考えていても、資金繰りに追われて胃が痛くなる時間は消耗。一方、来年こういう展開をしたいと構想を膨らませている時間は、仕事の話でも回復に近い。逆に、休みのはずなのに「休まなきゃ」と焦っている時間は、休んでいるのにいちばん消耗している。
この基準に変えてから、ずいぶん楽になりました。カフェで来期の計画をぼんやり考えている時間は、僕にとってはもう立派な休息です。それを「これは仕事だから休みじゃない」と罰する必要はない。逆に、無理にゲームで気を紛らわせても、頭の裏で不安がぐるぐるしているなら、それは休めていない。時間の使い方ではなく、心の状態で判断する。
もちろん、これは「経営者は四六時中働け」という話ではありません。体を休める時間は絶対に必要だし、睡眠を削るのは論外です。僕が言いたいのは、仕事と生活が地続きになる働き方を選んだなら、無理に会社員のオンオフを再現しようとしなくていい、ということです。分けられないことに罪悪感を持つのをやめる。それだけで、精神的な負荷がずいぶん減りました。
会社員の頃に好きだった金曜の夜は、もうありません。でもその代わり、火曜の昼下がりに事業の構想を練る時間が、今の僕にとっての金曜の夜みたいなものになりました。休みの取り方が変わっただけで、休めていないわけじゃない。オンオフを分けられない自分を責めるのをやめたら、地続きの毎日も、案外悪くないと思えるようになりました。

