📢 この記事について:数字や制度の解説ではなく、20代経営者としての本音を書いた記事です。
れん|20代経営者
20代で起業した株式会社代表(法人3期目)。会社と個人のお金で迷ったこと・失敗したことを発信しています。▶ 詳しいプロフィール
確定申告や決算の時期になると、心のどこかにずっと「税務調査」という言葉が引っかかっています。まだ一度も経験したことはないのに、勝手に想像して、勝手に怖くなる。あの経費、本当に大丈夫だったかな。この処理、後で突っ込まれないかな。そんな不安が、夜中にふと湧いてくることがあります。
面白いのは、この怖さがいちばん強くなるのが、実は「ちゃんとやっている時」だということです。適当に処理していた頃のほうが、むしろ何も感じなかった。知識がついて、何が問題になりうるかが分かるようになると、逆に怖さが増す。無知は幸福で、中途半端な知識がいちばん不安を生む。この構造に気づいた時、なるほどなと思いました。
この漠然とした恐怖とどう付き合うか。僕なりに出した結論は、「完璧に説明できる状態」を目指すのをやめて、「聞かれたら理由を言える状態」を目指す、ということでした。税務のグレーゾーンをゼロにするのは、素人には無理です。専門家でも解釈が分かれる領域がある。だから「絶対に指摘されない完璧な申告」を目標にすると、いつまでたっても不安が消えない。そうではなく、一つひとつの処理について「なぜこうしたのか」を自分の言葉で説明できるかどうか。そこを基準にしました。
経費で言えば、金額の大小ではなく、「これは事業のためにこういう理由で使った」と胸を張って言えるか。言えないものは、そもそも計上しない。この線引きをはっきりさせておくと、後から不安がぶり返しません。逆に、少しでも「これは説明が苦しいな」と感じるものを無理に通そうとすると、その一件がずっと心に残り続ける。節税で浮く数万円より、夜中に湧く不安のほうが、よっぽど高くつく。
そしてもうひとつ大事だったのが、この判断を全部自分で抱え込まないことでした。税務の最終的な妥当性は、僕が悩んでも答えが出ない領域です。だから迷ったら税理士に確認する。「これは経費で大丈夫か」を素人判断でグレーのまま通すのが、いちばん精神衛生に悪い。プロに聞いて、ダメならやめる。それだけで、頭の中のモヤが晴れます。
税務調査への恐怖は、突き詰めると「後ろめたさ」の裏返しなんだと思います。やましいことが一つもなければ、そもそも怖がる理由がない。だから僕は、調査対策として何か特別なことをするより、日々の一件一件を「聞かれても平気」な状態で積み上げていくことにしました。地味だけど、これ以外に不安を消す方法はない。
まだ調査は来ていません。来た時に慌てないための準備は、特別な裏技ではなく、毎日の誠実な処理の積み重ねでしかない。怖さを消そうとするのではなく、怖がる理由をひとつずつ潰していく。今はそう考えて、決算期の不安と付き合っています。

