📢 この記事について:数字や制度の解説ではなく、20代経営者としての本音を書いた記事です。
れん|20代経営者
20代で起業した株式会社代表(法人3期目)。会社と個人のお金で迷ったこと・失敗したことを発信しています。▶ 詳しいプロフィール
経営をしていると、良かれと思ってやったことが裏目に出る、という経験を何度もします。よく考えて、これがベストだと確信して決めたのに、フタを開けたら思っていた結果にならない。判断そのものは真剣だったからこそ、外れた時のショックも大きい。
最初のうちは、こういう時に「自分の判断力が足りなかった」と激しく落ち込んでいました。もっと情報を集めていれば、もっと慎重に考えていれば、防げたはずだと。そして次からは、判断の前にひたすら悩むようになる。あらゆるリスクを潰してから動こうとして、結局動きが遅くなる。でも、いくら情報を集めても、やってみないと分からないことは必ず残る。完璧に読み切れる判断なんて、経営には存在しないんですよね。
この「読み切れなさ」とどう付き合うか。何度か失敗を重ねて、僕の判断基準は変わりました。以前は「これは正しい判断か」を必死に考えていた。でも今は、「これは外れても取り返せる判断か」を先に考えるようになりました。正しさは事前には分からない。でも、外れた時のダメージの大きさは、事前にある程度見積もれる。だったら、正しさを100%読もうとするより、外れても致命傷にならない範囲で動くほうが、はるかに現実的です。
具体的には、判断を「取り返せるもの」と「取り返せないもの」に分けて考えます。取り返せる判断なら、多少読みが甘くてもさっさとやってみる。ダメだったら戻せばいいし、そこから学べる。一方、取り返せない判断、たとえば大きな固定費を長期で背負うようなものは、時間をかけて慎重に検討する。すべての判断に同じだけ悩むのをやめて、後戻りできるかどうかで、かけるエネルギーを変える。これで、動きの速さと慎重さを両立できるようになりました。
この考え方に変えてから、失敗との向き合い方も変わりました。裏目に出た判断を「間違い」として責めるのではなく、「取り返せる範囲での学習コスト」として捉える。実際、取り返せる範囲で失敗した経験のほうが、成功した経験より学びが濃いことも多い。うまくいった時は、なぜうまくいったのか意外と分からないままだけど、失敗した時は原因を必死で分析するからです。
もちろん、「取り返せるから」と雑に決めていいわけではありません。真剣に考えるのは前提です。ただ、真剣に考えたうえでなお外れることはある、という現実を受け入れる。それを受け入れられないと、判断が怖くなって動けなくなる。動けない経営者は、失敗する経営者よりたちが悪い。
良かれと思った判断が裏目に出るのは、これからもきっとあります。それをゼロにはできない。だから僕は、外さないことを目指すのをやめて、外しても立ち直れる決め方を選ぶことにしました。正しさを保証するのではなく、致命傷を避ける。この一点さえ守れば、失敗はただの経験値になる。そう思えるようになってから、判断がずいぶん軽くなりました。
あわせて読みたい:経営者は孤独だと聞いていたけど、想像以上だった話

