📝 この記事について:手続きの期限や加入条件は改正される可能性があるため、実際の手続きにあたっては年金事務所・ハローワーク・労働基準監督署、または社労士に必ず確認してください。
一人社長でやってきた会社が初めて社員を雇うとき、何から手をつければいいのか最初はまったくわかりませんでした。給与を決めればいいだけだと思っていたら、実際には保険関係の手続きがいくつもあり、期限も短い。この記事では、初めて社員を雇う前に知っておくべき手続きを整理します。
結論:雇う前に「4つの保険・協定」を把握しておく
初めて従業員を雇う際に必要になる主な手続きは、労災保険・雇用保険・社会保険(健康保険・厚生年金)、そして残業をさせるなら36協定の4つです。どれも従業員が働き始めてから短い期限で届け出る必要があるため、雇用を決めた時点で準備を始めるのが安全です。
1. 労災保険|働き始めた日から10日以内
労災保険は、正社員だけでなくアルバイト・パートを含めた従業員全員が対象です。労働基準監督署に、従業員が働き始めた日から10日以内に届け出る必要があります。労働時間の長さに関わらず、1人でも雇えば加入義務が発生する点は見落としやすいポイントです。
2. 雇用保険|週20時間以上働く従業員が対象
雇用保険は、週の所定労働時間が20時間以上の従業員が対象です。ハローワークに「雇用保険被保険者資格取得届」を、従業員が被保険者となった日(雇用した日)が属する月の翌月10日までに届け出る必要があります。短時間のアルバイトなど、週20時間未満の場合は対象外になるため、雇用契約時に労働時間の設計を意識しておくと手続きが明確になります。
3. 社会保険(健康保険・厚生年金)|週30時間以上働く従業員が対象
社会保険は、週の所定労働時間が正社員の4分の3(目安として週30時間)以上働く従業員が対象です。年金事務所に、従業員が働き始めた日から5日以内という短い期限で届け出る必要があります。社会保険料は会社と従業員の折半(労使折半)になるため、給与を決める段階で会社側の負担額も見込んでおく必要があります(このあたりの負担感は、以前書いた「法人成り後の社会保険料、実際いくら増えたか」でも触れています)。
4. 36協定|残業させるなら必須
従業員に残業や休日労働をさせる場合は、あらかじめ従業員の代表と会社の間で協定を結び、「36(サブロク)協定」として労働基準監督署に届け出る必要があります。この届出をせずに残業をさせることは法律違反にあたり、罰則の対象にもなり得ます。「うちは忙しくなったら残業をお願いするかもしれない」という会社は、雇用開始と同時に届け出ておくのが安全です。
雇う前にコストも試算しておく
保険関係の手続き以上に、経営者としてまず把握しておきたいのが「社員を1人雇うと実際いくらかかるか」です。給与だけでなく、社会保険の会社負担分、労働保険料、採用にかかる費用まで含めると、想像以上にコストがかかります。以前作った採用コスト計算機で、自社の条件を入れてざっくり試算しておくことをおすすめします。また、正社員として雇うか、業務委託・外注で対応するか迷っている場合は外注vs雇用の費用比較ツールも参考になります。
よくある質問(Q&A)
Q. アルバイトを1人雇うだけでも保険の手続きは必要ですか?
A. 労災保険は労働時間に関わらず加入義務があります。雇用保険・社会保険は労働時間の条件を満たせば対象になるため、契約前に労働時間を確認しておくと判断しやすくなります。
Q. 手続きを自分でやるのと社労士に依頼するのはどちらがいい?
A. 従業員数が少ないうちは自分で手続きすることも可能ですが、期限が短く書類の種類も多いため、初回だけでもスポットで社労士に依頼して流れを把握しておくと、その後の手続きがスムーズになります。
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まとめ
初めて社員を雇う際は、労災保険・雇用保険・社会保険・36協定という4つの手続きを、短い期限内に対応する必要があります。雇用を決めた時点で早めに準備を始め、コスト面もあわせて試算しておくことで、当日になって慌てることを防げます。

