📝 この記事について:本記事の締切・補助率・上限額は、中小企業基盤整備機構(中小機構)「補助金活用ナビ」および厚生労働省の公式サイトに掲載されている情報(中小機構の補助金スケジュールは2026年9月22日に再確認済み。厚生労働省の助成金情報は2026年9月22日に公式サイトで再確認済み)にもとづいています。制度の詳細な対象要件は補助金ごとに異なるため、実際の申請にあたっては必ず各公式サイト・公募要領で最新情報を確認してください。特定の補助金の利用を推奨するものではありません。
補助金・助成金は種類が多く、「結局うちの会社はどれが使えるの?」となりがちです。この記事では、一人社長・小さな会社が検討しやすい代表的な制度を、目的別に整理しました。個別の制度の締切が近いものもあるため、気になるものがあれば早めに公式サイトを確認することをおすすめします。
販路開拓・業務効率化なら「小規模事業者持続化補助金」
| 正式名称 | 小規模事業者持続化補助金(通常枠) |
|---|---|
| 対象者 | 小規模事業者(商業・サービス業は従業員5人以下、宿泊業・娯楽業は20人以下、製造業その他は20人以下) |
| 補助率・上限額 | 補助率2/3、補助上限50万円(インボイス特例・賃金引上げ特例など特定条件を満たすと最大250万円) |
| 直近の締切実績 | 第19回:2026年7月29日に採択者を公表済み(締切済み) |
| 次回の予定 | 通常枠は第19回で受付終了。第20回以降のスケジュールは2026年9月22日時点でも未公表です。 |
| 現在受付中の枠 (通常枠以外) | 災害支援枠(令和6年能登半島地震等)第10回:申請締切2026年10月16日(金)※10次公募をもって終了 災害支援枠(令和8年熊本地震)第1回:公募開始2026年9月9日、申請開始9月16日、申請締切2026年10月16日(金)。対象は熊本県内に所在する被災小規模事業者等で、直接被害は上限200万円、間接被害は上限100万円 共同・協業型 第3回:申請締切2026年9月30日(水)17時 |
| 申請に必要なもの | GビズIDプライム、商工会・商工会議所の伴走支援(事業支援計画書の交付)、経営計画書・補助事業計画書、電子申請(Jグランツ) |
商工会・商工会議所の伴走支援を受けながら、経営計画にもとづいて販路開拓や業務効率化に取り組む場合に使えるのが「小規模事業者持続化補助金」です。対象者は小規模事業者(商業・サービス業は従業員5人以下、製造業その他は20人以下)で、チラシ作成・ECサイト構築・展示会出展・業務効率化のためのソフトウェア導入など、幅広い用途に使えます。通常枠の補助上限額は50万円(インボイス特例・賃金引上げ特例など特定条件で最大250万円)、補助率は2/3です。
ここで注意したいのが、2026年9月22日時点で、通常枠は受付中の回がないという点です。直近の第19回は2026年4月30日で締め切られ、7月29日に採択者が公表されています。第20回以降のスケジュールは中小機構の公式スケジュールでも「確定次第更新」とされており、まだ公表されていません。
現在申請を受け付けているのは、災害支援枠(令和6年能登半島地震等)第10回(締切2026年10月16日)、災害支援枠(令和8年熊本地震)第1回(2026年9月9日公募開始・9月16日申請開始・締切10月16日)、共同・協業型 第3回(締切2026年9月30日17時)です。いずれも通常枠とは対象者・上限額が異なり、災害支援枠は罹災証明書などで被災が確認できることが要件になります。「持続化補助金は今も申請できる」と一括りにせず、自分が使えるのはどの枠かを確認してください。
なお通常枠は、申請にあたって商工会・商工会議所の支援を受けたことを示す書類(事業支援計画書)が必要です。この交付には日数がかかるため、次回公募が発表されてから動き出すのでは間に合わないこともあります。使う可能性があるなら、公募を待つ間にGビズIDプライムの取得と、最寄りの商工会・商工会議所への事前相談だけ済ませておくと動きやすくなります。
従業員の賃金を上げるなら「業務改善助成金」
⚠️ 従業員がいない一人社長は、この助成金の対象になりません。厚生労働省の公式サイトに、「労働者(従業員)の事業場内最低賃金を引き上げるための支援制度であるため、労働者(従業員)がいない場合は、助成の対象となりません」と明記されています。賃金を引き上げる対象の従業員がいて初めて成立する制度なので、いまひとりで事業をしている方にとっては「従業員を雇う段階になってから改めて見る制度」という位置づけになります。最大で数百万円という金額だけを見て調べ始めると時間を使ってしまうので、先にこの条件を確認するのが確実です。
| 正式名称 | 業務改善助成金(厚生労働省) |
|---|---|
| 対象者 | 事業場内最低賃金を一定額以上引き上げ、あわせて生産性向上に資する設備投資(POSレジ・券売機・業務用ソフトウェアなど)を行う事業者。雇用保険被保険者で雇入れ後6か月を経過した労働者がいない場合は対象外。 |
| 補助率・上限額 | 助成率は引き上げ前の事業場内最低賃金水準により3/4または4/5。助成上限額は引き上げ額・引き上げる労働者数により変動(詳細は公式リーフレット参照)。事業場内最低賃金が1,050円未満、または直近6か月の利益率が前年同期比3ポイント以上低下している「特例事業者」は上限額が拡大される。 |
| 直近の締切実績 | 令和7年度分は2026年3月31日まで受付 |
| 次回の予定 | 令和8年度分は2026年9月1日受付開始(現在受付中)。申請期限は「地域別最低賃金の発効日の前日」または「2026年11月30日」のいずれか早い日。 |
| 申請に必要なもの | 交付申請書(様式第1号)など各種様式、Jグランツでの電子申請(GビズIDプライムが必要。労働局窓口での紙申請も可)。交付決定後は事業完了期限(交付決定年度の1月31日、延長時最大3月31日)までに設備導入・賃金引上げ・実績報告が必要。 |
なお、最低賃金の引き上げにあわせて業務改善助成金を使う場合は、令和8年度の地域別最低賃金改定と業務改善助成金の詳しいまとめもあわせてご覧ください。
あわせて注意したいこと:厚生労働省は同じページで、「厚生労働省から委託を受けたと装って、助成金の活用を勧誘する事業者が存在するとの情報が寄せられています」という注意喚起を出しています。そのうえで「厚生労働省や労働局が、特定の事業者に助成金の勧誘を委託することはありません」と明言しています。つまり「厚労省の委託で助成金のご案内です」という営業を受けた場合、その名乗り自体が事実と異なります。相談相手が少ない一人社長ほど狙われやすいので、頭の片隅に置いておくと安心です。
社員を雇っている場合、事業場内で最も低い賃金(事業場内最低賃金)を50円以上引き上げ、あわせて生産性向上につながる設備投資(POSレジ、券売機、業務用ソフトウェアなど)を行うと使えるのが厚生労働省の「業務改善助成金」です。助成上限額は最大600万円、助成率は引き上げ前の賃金水準に応じて3/4または4/5です。
令和8年度分は2026年9月1日から受付が始まっており、申請期間は「申請事業所に適用される地域別最低賃金の発効日の前日」までです。これとは別に賃金引上げ期間が定められており、そちらは「発効日の前日」または「2026年11月30日」のいずれか早い日までとされています。この2つは別物なので混同しないでください。また、予算の範囲内での交付のため、申請期間内でも募集が終了する場合があります。令和8年度は助成率区分やコース体系が見直されているため、過去の情報のまま判断せず、最新の公式資料で対象要件を確認してください。
令和8年度から、引き上げる対象労働者が「週所定労働時間20時間以上の雇用保険被保険者」に限定されました。週20時間未満のパート・アルバイトしかいない事業場は、賃金を引き上げても助成の対象になりません。あわせて、交付決定を受ける前に設備を買ってしまうと助成の対象外になる点、同一事業所の申請は年度内1回までである点も、申請前に必ず押さえておいてください。(出典:厚生労働省「令和8年度業務改善助成金のご案内」リーフレットPDF)
2026年度(令和8年度)分での変更点と、申請前に必ず知っておきたい2つのこと。ひとつは、これまで助成対象経費の特例として認められていた自動車(特殊用途自動車を除く)が令和8年度から助成対象外になった点です。もうひとつは、交付決定より前に設備を導入してしまうと助成の対象になりません。「先に買って、あとから申請する」ができない制度なので、見積もりの段階で止めておく必要があります。また、物価高騰等要件の判定期間も「最近3か月間のうち任意の1月」から「最近6か月間平均」に変更されています。
⚠️ あわせて注意:助成金の勧誘を装う業者について。厚生労働省は公式サイトで、「厚生労働省から委託を受けたと装って、助成金の活用を勧誘する事業者が存在する」「厚生労働省や労働局が、特定の事業者に助成金の勧誘を委託することはありません」と注意喚起しています。手数料や報酬を目的に、本来受けられない助成金の申請を提案してくるケースがあるとのことです。「労働局の委託を受けています」と名乗る電話や訪問があったら、その時点で一度疑ってよい、ということになります。不明な点は業務改善助成金コールセンター(0120-366-440/平日9:00〜17:00)か、管轄の都道府県労働局に直接確認するのが確実です。
出典:厚生労働省「業務改善助成金」(2026年9月18日確認)
人手不足解消の設備投資には「中小企業省力化投資補助金」
| 正式名称 | 中小企業省力化投資補助金(一般型) |
|---|---|
| 対象者 | 人手不足解消のためIoT・ロボットなどの省力化設備を個別に導入する中小企業・小規模事業者(オーダーメイド型) |
| 補助率・上限額 | 従業員5人以下750万円(賃上げ特例1,000万円)/6〜20人1,500万円(2,000万円)/21人以上は規模に応じ最大8,000万円(1億円)。補助率は中小企業者1/2〜2/3、小規模事業者2/3。 |
| 直近の締切実績 | 第7回受付終了 |
| 次回の予定 | 第8回:2026年8月18日公募開始、申請開始9月中旬予定(締切は2026年10月中旬予定・日付は未確定)。採択発表は2027年2月上旬予定(中小企業庁が公表) |
| 申請に必要なもの | GビズIDプライム、事業計画書。カタログ型と異なるオーダーメイド型のため、個別の設備・システム提案内容に応じた見積・提案書が必要。 |
IoT・ロボットなどデジタル技術を活用した設備を導入して人手不足を解消したい場合は、「中小企業省力化投資補助金(一般型)」が候補になります。補助上限額は従業員規模によって異なり、5人以下は750万円(大幅賃上げ時1,000万円)、6〜20人は1,500万円(同2,000万円)、以降規模に応じて最大8,000万円(同1億円)まで拡大します。補助率は中小企業者1/2〜2/3、小規模事業者は2/3です。定型メニューではなく、個別の現場に合わせたオーダーメイドの設備・システム導入を支援する点が特徴です。
2026年9月時点では第7回の受付が終了し、第8回が2026年8月18日に公募開始、申請開始は9月中旬予定となっています(締切は2026年10月中旬予定・日付は未確定)。年3〜4回のペースで公募が行われているため、準備に時間がかかる場合は次回以降を見据えて早めにGビズIDプライムアカウントを取得しておくとよいでしょう。
なお第8回の公募要領には、令和8年熊本地震の被害を受けた熊本県内の事業者については審査において配慮する旨が明記されています(中小機構・中小企業庁の公表資料、2026年9月22日確認)。該当する場合は、公募要領の該当箇所を必ず確認してください。
IT・AI導入や新規事業への進出なら
ソフトウェア・クラウドサービスなどITツールの導入には「デジタル化・AI導入補助金」、新市場への進出や革新的な新製品・サービス開発には「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」が使えます。締切や補助率の詳細はデジタル化・AI導入補助金・新事業進出補助金の締切まとめ【2026年9月更新】で整理しているので、あわせて確認してみてください。
まとめ:まず「何をしたいか」から補助金を選ぶ
補助金は「使えるものを探す」のではなく、「やりたいことに合う制度を選ぶ」のが基本です。販路開拓や業務効率化なら持続化補助金、賃上げとセットの設備投資なら業務改善助成金、人手不足解消の大きめの設備投資なら省力化投資補助金、IT・AI導入や新規事業なら前回まとめた2つの補助金、というのが大まかな目安になります。制度ごとに対象者の要件(従業員数、業種、伴走支援の有無など)が細かく異なるため、申請前に必ず公式サイトか商工会・商工会議所、認定支援機関などの専門家に相談することをおすすめします。
出典
・2026年度 補助金スケジュール一覧(中小機構「補助金活用ナビ」、2026年9月11日更新)
・小規模事業者持続化補助金のご案内(中小機構)
・業務改善助成金(厚生労働省)
・中小企業省力化投資補助金(一般型)公式サイト

