変動0.85%と固定3.21%で借りると総返済額に1,575万円の差が出た|フラット35急騰の2026年6月、住宅ローンを組む前に20代が確認すべき3つのこと

投資・資産運用

📋 この記事でわかること

  • 2026年6月にフラット35が前月比0.50%急騰した背景と今後の見通し
  • 変動0.85%と固定3.21%で3,500万円借りると総返済額がいくら変わるか
  • 固定金利が変動より有利になるには「あと9回の利上げ」が必要な理由
  • 20代が変動で借りて新NISAで運用すると資産形成でどれくらい有利になるか

2026年6月、フラット35が「過去最大級」の急騰を記録した

住宅購入を検討しているあなたに、今すぐ知っておいてほしい数字がある。

2026年6月、フラット35(全期間固定型の住宅ローン)の金利が前月比で年0.50%も一気に引き上がり、年3.21%(楽天銀行・借入期間21〜35年・融資比率9割以下の場合)に達した。この上げ幅は、住宅金融支援機構がフラット35を提供してきた歴史の中でも最大級とされる。同月、10年固定金利も軒並み0.12〜0.30%の大幅引き上げとなり、3大メガバンクの平均は年3.59%まで跳ね上がっている(出典:モゲチェック 2026年6月調査)。

一方、変動金利はどうか。ネット銀行大手のPayPay銀行では年0.85%、SBI新生銀行では0.99%と、固定との金利差は実に年2.13〜2.36%もの開きになっている。変動金利と固定金利の差は史上最大水準だ。

「変動と固定のどちらで借りるべきか」という問いは住宅購入の定番の悩みだが、2026年6月現在、この問いへの答えはかつてなく重要性を増している。日銀が6月15〜16日の金融政策決定会合で追加利上げ(政策金利0.75%→1.00%)に踏み切ることがほぼ確実視される中、住宅購入を検討している20代は「今が動くべきタイミングなのか」「どの金利タイプを選べばいいのか」という判断を迫られている。

この記事では、最新の金利データをもとに実際の試算を示しながら、20代が住宅ローンを組む際の正しい判断基準を解説する。

2026年6月の住宅ローン金利の現状を整理する

まず、2026年6月時点の主要な住宅ローン金利を整理しておこう。

金利タイプ代表的な金融機関2026年6月の適用金利前月比
変動金利PayPay銀行年0.85%変わらず
変動金利SBI新生銀行年0.99%変わらず
10年固定みずほ銀行年3.25%+0.30%
10年固定三菱UFJ銀行年3.27%+0.12%
フラット35(全期間固定)楽天銀行年3.21%+0.50%(過去最大級)

(出典:モゲチェック 2026年6月 住宅ローン金利調査)

変動金利と固定金利の差は最大年2.36%(変動0.85% vs フラット35 3.21%)に達している。「変動金利 対策」「住宅ローン 見直し」を考える上で、この差がどれほど大きいかを数字で確認しよう。

なぜフラット35はここまで上がったのか

フラット35が急騰した背景には、日本の長期金利(10年国債利回り)の大幅な上昇がある。フラット35は長期金利を基準に設定されるため、国債利回りが上がると連動して金利が上がる構造だ。

2026年に入り、日銀の利上げ観測・継続的な円安・中東情勢を背景にした原油高が重なり、国内のインフレ圧力が強まった。その結果、10年国債利回りは歴史的な高水準まで上昇。フラット35を提供する住宅金融支援機構は、これまで金利上昇を一定程度抑制してきたが、6月はついに限界に達し、これまでの抑制策を超える大幅引き上げに踏み切ったとみられる。

一方、変動金利は日銀の短期政策金利(無担保コール翌日物)に連動しており、足元では各銀行間の顧客獲得競争もあって低水準が続いている。この「短期金利は緩やかな上昇」「長期金利は急上昇」という構造が、変動と固定の差を過去最大水準に押し広げた。

3,500万円を35年で借りたら、変動と固定で総返済額はいくら違うか

数字で考えよう。3,500万円を35年間で借りた場合、変動(0.99%で固定仮定)とフラット35(3.21%)の返済額を比較すると次のようになる。

項目変動金利(0.99%・金利不変と仮定)フラット35(3.21%)
毎月の返済額約98,799円約136,261円
総返済額約4,149万円約5,724万円
うち利息総額約649万円約2,224万円
毎月の差額約37,462円
35年間の総差額約1,575万円

(※変動金利が金利変動なしと仮定した試算。実際の変動金利は将来変動する。あくまで参考情報。)

金利変動がまったくないと仮定すれば、変動金利の方が35年間で約1,575万円も総返済額が少ない。毎月の返済額でも約37,000円の差だ。この差額を毎月新NISAや積立投資に回せば、資産形成上の優位性はさらに大きくなる(後述)。

「変動が有利」は本当か?損益分岐点を考える

ここで重要な問いが生まれる。「将来、変動金利が上がったら損するのでは?」だ。

変動金利が固定より不利になるには、現在の金利差(年2.13〜2.36%)を埋める程度の利上げが必要だ。日銀が1回の利上げで0.25%ずつ引き上げると仮定すると、変動金利が固定金利と同水準になるにはあと約9回分の追加利上げが必要という計算になる。

2026年6月の会合での利上げが実施されると、政策金利は1.00%になる。市場のメインシナリオでは2027年末に1.50%(あと2〜3回の追加利上げ)でピークを迎えると予想されており、この場合は変動金利が依然として大幅に有利という計算になる。変動が不利になる「9回の追加利上げ」=政策金利3.25%超というシナリオは、現時点では景気が極端に悪化しない限り想定しにくい水準だ。

ただし、あくまでこれは確率論の話だ。リスクシナリオとして円安・物価高がさらに深刻化した場合は、日銀が利上げペースを加速させる可能性もゼロではない。

変動で借りて新NISAに回す「20代最強の住宅ローン活用術」

変動で借りた場合、毎月の返済額は固定と比べて約37,000円少なくなる。この差額を毎月新NISAの成長投資枠または積立枠で全世界株式インデックスファンドに投資した場合どうなるか。

月3.7万円を年利5%(世界株式インデックスの過去長期平均に近い水準)で35年間複利運用したと仮定すると、約3,800万円になる試算だ(投資は元本保証ではなく将来の運用成果を保証するものではない)。つまり、変動金利で浮いた毎月の返済差額を新NISAで運用することで、将来の金利上昇リスクを「運用益」でカバーできる可能性がある。これが「変動×NISA」の組み合わせが20代に支持される本質的な理由だ。

新NISAは年間360万円(成長投資枠240万円+つみたて投資枠120万円)まで非課税で投資でき、利益に対して通常20.315%かかる税金がゼロになる。20代から始めれば複利効果を長期間享受できる最強の非課税口座だ。住宅ローンを組むタイミングで同時にNISA口座を開設・増額設定することを強くおすすめする。

20代が住宅ローンで変動か固定かを選ぶ3つの基準

基準①:収入の安定性

会社員・公務員など安定収入がある人は変動が向いている。毎月の収入が安定していれば、将来金利が多少上がっても返済計画を修正しやすい。一方、フリーランス・自営業・歩合制など収入に波がある人は、返済額が変わらない固定の方が家計管理をしやすい。

基準②:金利上昇へのメンタル耐性

「金利が上がるかも」というニュースのたびに不安になる人は固定が向いている。精神的な安心感も生活の質に影響する立派なファクターだ。ただし現在の固定金利水準(3.21%)はかなり高く、この「安心料」は毎月約37,000円という水準になっている。毎月37,000円の安心料を払う価値があるか、自分のメンタルと向き合って判断してほしい。

基準③:年収倍率(借入額÷年収)

変動金利で借りる場合、借入額は年収の7倍以内、できれば5倍以内を目安にしたい。年収倍率が高いほど、金利上昇時の返済増加が家計に直撃しやすい。たとえば年収400万円なら最大2,800万円(5倍)〜2,000万円(5倍)が目安だ。年収倍率が7倍を超えるような高額借入を変動でするのは、金利上昇リスクに対してバッファが少なすぎる。

住宅ローンを検討中の20代が今すぐやるべき行動プラン

あなたの状況今すぐやること期限の目安
変動金利で借りようと検討中①年収倍率を年収×5〜7倍以内に設定 ②固定との差額(月3.7万円)をNISAの積立設定に回す計画を立てる ③3行以上に仮審査を申し込み最低金利を比較する物件決定前
固定か変動か迷っている①モゲチェック等で自分の借入条件での損益分岐シミュレーションを実施 ②変動・固定それぞれで仮審査を取得し実際の適用金利を確認 ③FP(ファイナンシャルプランナー)に無料相談物件内覧後すぐ
固定金利(フラット35)で借りる予定①子育て世帯向け優遇(フラット35S)の条件を確認 ②固定金利はさらに上昇する可能性があるため申込を早める ③固定金利 住宅ローン 比較で各行の最新金利を毎月確認今すぐ確認・申込
まだ情報収集段階①住宅ローン比較サービスに無料登録し自分の属性に合う銀行をリスト化 ②毎月の日銀会合結果と翌月の住宅ローン金利発表をチェック ③変動金利 対策・住宅ローン 見直しのキーワードで最新情報をキャッチアップ月次確認の習慣化

まとめ:2026年6月に住宅ローンを検討する20代が取るべき3ステップ

  1. 数字で比べろ:変動0.85〜0.99% vs フラット35 3.21%、差額は35年で約1,575万円。固定が有利になるにはあと9回の利上げ(政策金利3.25%超)が必要であり、市場のメインシナリオ(2027年末1.50%)では変動が大幅に有利だ。
  2. 余剰資金の使い道を決めろ:変動で借りて毎月の返済を抑え、その差額(約37,000円)を新NISAの積立に回すのが20代の最適解。変動金利 対策は「毎月の返済を抑えてNISA積立を増やす」という構造で実現できる。
  3. 自分の収入・メンタルを正直に評価しろ:収入が不安定な人、金利動向を追うのが苦手な人は固定でも合理的。ただし現在の固定金利水準(3.21%)は非常に高く、今固定で借りるなら早めの行動が重要だ。

住宅ローンは人生最大級の借り入れだ。「みんなが変動にしている」「銀行員に固定を勧められた」で決めるのではなく、自分の家計・メンタル・将来の収入見通しを踏まえて冷静に判断してほしい。

※この記事はあくまで参考情報です。住宅ローンの選択は個人の状況によって大きく異なるため、ファイナンシャルプランナーや銀行の担当者に相談のうえ、ご自身でご判断ください。投資は元本保証ではなく、将来の運用成果を保証するものではありません。

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