国民健康保険を月3万5千円払って気づいた|20代経営者が社会保険を徹底比較して選んだ「最安の加入方法」

経営・起業

📋 この記事でわかること

  • 国民健康保険の保険料の計算方法と2026年度(令和8年度)の賦課限度額(113万円)
  • 20代経営者・個人事業主が選べる「国保より安くなる可能性がある」3つの選択肢(法人化・国保組合・任意継続)
  • 法人化して社会保険に切り替えた場合の実際の保険料シミュレーション
  • iDeCoや小規模企業共済で課税所得を下げて国保料を合法的に節約する方法

国民健康保険、想像以上に高かった

会社を辞めて独立した直後、国民健康保険の通知書を見て目を疑いました。前年の給与所得をベースに計算された保険料は、月3万5,000円超。サラリーマン時代は会社が半分負担してくれていたので、実感がまったくなかったのです。

この記事では、20代で経営者になった私が実体験をもとに「社会保険の現実」と、保険料を合法的に抑えるための選択肢を解説します。

サラリーマンと自営業・経営者の社会保険の違い

日本の医療保険は大きく3種類に分かれます。

種類対象者保険料の特徴
健康保険(協会けんぽ)中小企業の会社員会社と折半、上限あり
健康保険(組合健保)大企業・業界団体の会社員料率が低いことも
国民健康保険自営業・経営者・フリーランス全額自己負担、所得連動

自営業や個人経営者は原則として国民健康保険(国保)に加入します。国保は前年の所得を基に計算されるため、収入が増えると保険料も跳ね上がります。

国民健康保険の保険料の計算方法

国保の保険料は自治体によって異なりますが、おおむね以下の構造です。

  • 所得割:前年の課税所得 × 料率(約8〜10%)
  • 均等割:加入者1人あたり定額(約3〜5万円/年)
  • 平等割:世帯あたり定額(自治体によりあり・なし)

前年の課税所得が400万円の場合、所得割だけで年間32〜40万円(月2.7〜3.3万円)。均等割を加えると月3万円超は普通に超えてきます。2026年度(令和8年度)の賦課限度額は年間113万円(医療分67万円+後期高齢者支援金分26万円+介護分17万円+子ども子育て支援納付金分3万円)に引き上げられており、高所得者ほど負担が重くなります。

経営者が選べる「国保より安くなる可能性がある」選択肢

①法人化して社会保険に加入する

株式会社や合同会社を設立すると、代表取締役でも社会保険(健康保険+厚生年金)に加入できます。社会保険は「標準報酬月額」をベースに計算されるため、役員報酬を低めに設定すれば、国保より保険料を大幅に抑えられるケースがあります。

私が法人化した際、役員報酬を月20万円に設定したことで、健康保険料+厚生年金の個人負担分は月約2.7万円になりました(会社が同額を負担)。国保時代の月3.5万円より安く、しかも厚生年金の受給額も増えます。

②国保組合を検討する

特定の職種・業界向けに「国保組合」が存在します。文芸美術国保(デザイナー・ライター等)、医師国保、弁護士国保などがあり、所得に関係なく定額で加入できる場合があります。IT系フリーランスなら「TJK(東京都情報サービス産業健保)」なども選択肢に。自分の職種に対応する組合がないか確認してみましょう。

③任意継続被保険者制度を活用する(退職直後のみ)

会社退職後、最大2年間は以前の健康保険に「任意継続」として加入できます。保険料は全額自己負担になりますが、退職直前の報酬が高くなければ国保より安くなることがあります。独立初年度の選択肢として検討する価値があります。

社会保険と国保、どちらが得かを比べるポイント

比較項目国民健康保険社会保険(法人経由)
保険料負担全額自己負担個人と会社で折半
所得との連動あり(所得が増えると上がる)役員報酬の設定で調整可能
老後の年金国民年金のみ厚生年金も上乗せ
傷病手当金なしあり(報酬の2/3相当)

社会保険に切り替えると傷病手当金(病気・ケガで働けない期間の生活保障)も得られます。自営業・フリーランスには傷病手当金がないため、これは経営者にとって大きなメリットです。

実際に私がやった「社会保険最適化」の流れ

  1. 独立当初:国民健康保険に加入(月3.5万円)
  2. 1年後に法人化:役員報酬を月20万円に設定、社会保険加入(月2.7万円 + 会社負担2.7万円)
  3. 節税効果も確認:法人が支払う社会保険料は全額損金(経費)になる

法人の経費として処理できるため、実質的な手取りへの影響はさらに少なくなります。税理士や社労士と相談しながら、自分に合った保険の形を見つけてください。

まとめ:法人化が一番のコスパ改善策

20代で経営者になるなら、社会保険の仕組みは早めに理解しておくべきです。国保の高さに驚く前に、法人化や国保組合の活用を検討することで毎月数万円単位の節約が可能です。最適な選択は収入・職種・家族構成によって異なるため、専門家に相談しながら判断することをおすすめします。

国民健康保険料を合法的に下げる方法【具体策3選】

方法① 法人化して社会保険に切り替える

最も効果が大きい方法が法人化です。株式会社・合同会社を設立して役員報酬を適切に設定すると、社会保険(健康保険+厚生年金)に加入できます。役員報酬を低く設定するほど社会保険料が下がります。

役員報酬(月額)健康保険料(個人負担)厚生年金(個人負担)合計(月額)
月10万円約5,000円約9,150円約14,150円
月20万円約10,000円約18,300円約28,300円
月30万円約15,000円約27,450円約42,450円

国保で月3.5万円払っていた筆者が法人化後に役員報酬を月20万円に設定したところ、社会保険の個人負担は月約2.8万円になりました。国保より安く、かつ将来の厚生年金も増える一石二鳥の効果がありました。

方法② 所得控除を最大化して課税所得を下げる

国保の所得割は「前年の課税所得」に基づきます。つまり課税所得を下げるほど国保料が安くなります。活用できる控除はこちらです。

  • 青色申告特別控除(最大65万円):freeeや会計ソフトで複式簿記をつければ適用可能
  • 小規模企業共済:掛金が全額所得控除。月最大7万円(年84万円)まで積立可能
  • iDeCo:自営業は月最大6.8万円が全額所得控除
  • 経費の適切な計上:自宅兼事務所の家賃・通信費・書籍代など按分して経費化

方法③ 前年所得が激減した場合は減額申請する

廃業・失業・大幅な収入減があった場合、市区町村の窓口で国保の減額・減免申請ができます。前年所得ベースで計算される国保は、急激な収入減の翌年に高い保険料を払うことになりがちです。収入が大幅に下がった年は忘れず申請しましょう。

社会保険と国保、どちらが得か?シミュレーション

条件国民健康保険(年額)社会保険(年額・個人負担)
課税所得200万円約24万円役員報酬月15万円なら約25万円
課税所得400万円約40〜45万円役員報酬月20万円なら約34万円
課税所得600万円約55〜65万円(上限付近)役員報酬月25万円なら約43万円

課税所得が高くなるほど国保の負担が重くなります。課税所得400万円超が見えてきたら法人化を真剣に検討するタイミングです。

よくある質問

Q. 国保の保険料はいつ決まりますか?

A. 毎年6〜7月に前年の所得をもとに決定され、納付書が届きます。前年の所得が高いほど当年の保険料が高くなる仕組みです。独立1年目は給与所得ベースで計算されることが多く、翌年に高額請求が来て驚く人が多いです。

Q. 小規模企業共済はiDeCoと何が違いますか?

A. 両方とも全額所得控除の節税制度ですが、違いがあります。iDeCoは60歳まで引き出せない一方、小規模企業共済は廃業・退職時に受け取れる退職金的な制度です。自営業・経営者はiDeCoと小規模企業共済を両方使うことで、年間100万円以上の所得控除が可能になります。

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📝 れんの実体験メモ

法人設立後に国民健康保険から協会けんぽの社会保険に移行した。国保は前年の所得で計算されるため独立初年度は予想外に高額だった。役員報酬を設定して社会保険に加入することで保険料負担が変わり、厚生年金も積み上がるようになった。

今すぐできる3つのアクション

情報は「知っている」だけでは意味がない。今日中に一つでも動こう。

  1. 国保の保険料を確認:市区町村の窓口またはHPで国保保険料シミュレーターを使い、自分の年収での保険料を試算する
  2. 社会保険との比較:役員報酬を設定した場合の協会けんぽ保険料と国保の差額を計算する
  3. 加入変更の検討:法人設立や法人成りを検討している場合、社会保険加入による変化を税理士に相談する

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