法人登記のために自宅住所を公開したくない、でもオフィスを借りるほどの予算はない――そんな一人社長・個人事業主向けのバーチャルオフィスの中から、今回は「バーチャルオフィス1」を単独で整理します。
※筆者が実際に契約・利用した体験談ではありません。2026年9月17日時点の公式情報を確認して整理しています。
公式情報では渋谷・神保町・広島の3拠点を展開するサービスで、「わかりやすさを追求したワンプラン」をコンセプトにしています。
バーチャルオフィス1はどんなサービスか
バーチャルオフィス1は、月額880円+郵送費用というシンプルな料金体系で、法人登記・月4回の郵便物転送・来客対応システムなど、事業運営に必要な機能がひとつのプランにまとまっているのが特徴です。拠点は渋谷・神保町・広島の3箇所にあり、渋谷の住所は特に「一等地感のある住所を使いたい」というニーズに応えやすい立地になっています。
バーチャルオフィスというと「複数プランがあって結局どれを選べばいいかわからない」「安いプランだと法人登記に対応していない」といった声をよく聞きますが、バーチャルオフィス1は基本的に単一プランで法人登記・郵便転送を標準搭載している点で、プラン選びに悩みたくない人にとってはわかりやすい設計になっています。
料金プランの詳細
年間契約の場合、月額880円(年一括払いで10,560円)に加えて、入会金5,500円(初年度のみ)が必要です。単月契約も可能で、その場合は月額3,960円になります。年一括で契約したほうが月あたりの負担は大きく下がる料金設計です。
- 年間契約:月額880円(年一括10,560円)+ 入会金5,500円(初年度のみ)
- 単月契約:月額3,960円 + 入会金5,500円(初年度のみ)
- 基本プランに含まれるもの:住所利用・法人登記、月4回の郵便物転送、来客対応システム、DM破棄オプション、LINE通知、郵便物店舗受取、簡易書留の代理サイン
郵便物の転送費用は重さに応じて別途かかります(50gまで150円、100gまで250円、150gまで350円、250gまで450円、500gまで600円、500g以上は宅急便実費)。急ぎで受け取りたい郵便物がある場合のスポット転送は550円+発送費用、時間外の郵便物受取ポスト(私書箱)はオプションで月額2,640円(年払い)です。起業したてで郵便物の量が読めない場合でも、基本料金に4回分の転送が含まれているため、まずは基本プランで様子を見て、必要に応じてオプションを追加する使い方がしやすくなっています。
基本料金の安さだけで選ぶと危ない理由
バーチャルオフィスを探していると、月額300〜500円台の格安プランを見かけることがあります。ただし、こうした格安プランには次のような落とし穴があるケースが少なくありません。
- 基本料金は安いが、法人登記には別途費用がかかる(個人事業主専用プランのような設計)
- 郵便物を受け取ってもらえない、または上位プランでないと転送してもらえない
- 「条件付きで転送費用無料」とうたいながら、実際には有料になりやすい条件になっている
バーチャルオフィス1は、こうした「基本料金は安いのに実際に法人登記・郵便転送まで使うと想定より高くつく」という状態を避けるため、月4回の郵便転送と法人登記をすべてのプランに標準で含める設計にしている点が特徴です。契約前に見るべきなのは月額の数字だけでなく、「法人登記込みか」「郵便転送は何回まで無料か」の2点だと言えます。
公式情報から確認できるメリット
実際の利用シーンに即して整理すると、主なメリットは次の通りです。
- 自宅住所を公開せずに法人登記できる:登記簿謄本や名刺、会社のWebサイトに自宅の住所を出さずに済むため、プライバシーを守りながら事業を始められます。
- 渋谷・広島という認知度のある住所を使える:取引先や顧客に対して、賃貸マンションの一室よりも信用力のある所在地を提示できます。
- オフィス賃料が発生しない:実際にオフィスを借りる場合と比べて、初期費用・月額費用ともに大幅に抑えられます。
- 郵便物の管理を代行してもらえる:月4回の転送に加え、LINE通知で到着状況を把握でき、外出中や出張中でも郵便物を見逃しにくくなります。
- 来客対応システムがある:来訪者があった場合の一次対応の仕組みが用意されているため、来客の可能性がゼロではない事業でも一定の安心感があります。
- 引っ越しの影響を受けにくい:自宅を引っ越しても登記住所を変更する必要がなく、都度の登記変更費用(登録免許税など)を避けられます。
- オンラインで申し込みが完結する:eKYCによる本人確認に対応しており、来店せずに契約手続きを終えられます。
契約前に知っておきたいデメリット・注意点
良い面だけでなく、事前に理解しておくべき注意点もあります。
- 許認可業種は利用できない:後述する業種に該当する場合、そもそも住所として使うこと自体ができません。
- 審査がある:本人確認に加えて事業内容の確認が行われるため、申し込めば必ず使えるわけではありません。
- 物理的な作業スペースはない:あくまで住所貸し・郵便転送のサービスであり、実際に働く場所や会議室が常時使えるわけではありません(来客対応は別システム)。
審査と対応できない業種
バーチャルオフィス1は、住所の不正利用防止のため、本人確認に加えて事業概要の確認も行っています。個人事業主(新規で法人を設立する方)の場合は住民票・印鑑登録証明書・身分証明書・事業概要説明書類(事業計画書や契約書のコピーなど)、法人の場合は履歴事項全部証明書・印鑑証明書・代表者の身分証明書などの提出が必要です。
また、次のような業種は許認可の都合上、バーチャルオフィスの利用自体ができないとされています。契約前に自分の事業がこれに該当しないか確認しておく必要があります。
- 税理士・弁護士・司法書士・行政書士などの士業
- 古物商、有料職業紹介業、人材派遣業
- 宅地建物取引業、金融商品取引業、産業廃棄物収集運搬業
これらに加えて、アダルト・ギャンブル・情報商材販売・宗教活動団体など、審査自体を断られる業種も別途定められています。士業や許認可業種を営む予定がある場合は、契約前に必ず公式サイトで最新の対象外業種を確認してください。
よくある誤解
バーチャルオフィスについては、次の3つの誤解が特によく聞かれます。
誤解1:バーチャルオフィスだと銀行の法人口座が作れない。実際には口座開設は可能です。ただし、過去に犯罪目的で使われた住所だと審査が厳しくなることがあるため、運営実績のあるバーチャルオフィスを選ぶことが重要とされています。
誤解2:社会保険・雇用保険の申請ができない。これも通常どおり申請可能です。バーチャルオフィスの住所を事業所所在地として、必要な手続きを進めることができます。
誤解3:クライアントにバレると信用を失う。バーチャルオフィスの利用自体は特に隠すようなことではなく、最初から取引先に伝えておくほうが、後から発覚して信用を落とすよりもリスクが低いと言えます。実際、コンサルタントやWebデザイナーなど在宅・訪問型の働き方をする人にとって、バーチャルオフィスの利用は一般的になりつつあります。
こんな人に向いている
具体的にどんな働き方・事業をしている人に向いているか、タイプ別に整理します。
- 自宅が賃貸マンションで事業利用不可の人:管理規約で法人登記や事業利用が禁止されているケースは多く、その場合は自宅以外の住所が必須になります。バーチャルオフィス1なら低コストでこの制約をクリアできます。
- 訪問・在宅がメインでオフィスに来客がないコンサルタントやシステムエンジニア:クライアント先に出向く働き方が中心なら、自分のオフィスに来客対応スペースがなくても業務に支障はありません。
- ECサイト運営者・アフィリエイター:特定商取引法の表記やサイトの運営者情報に自宅住所を出したくない場合、バーチャルオフィスの住所を代わりに使うことができます。
- フリーランスから法人化を検討している人:まず法人登記用の住所だけ確保しておき、実際の作業は自宅や外部のコワーキングスペースで行うという分離した使い方ができます。
- 地方在住で東京の住所を持ちたい経営者:実際に東京へ移転するコストをかけずに、渋谷という認知度のある住所を名刺や会社概要に記載できます。
逆に、士業など許認可上バーチャルオフィスが使えない業種の人や、日常的に来客対応・執務スペースが必要な人には向きません。その場合はレンタルオフィス・シェアオフィスなど、実際の作業スペースがある形態を検討したほうがいいでしょう。
申し込みまでの流れ
申し込みはオンラインで完結します。申込フォームの入力と必要書類のアップロード後、審査が行われ、結果は最短即日で通知されます。審査通過後にクレジットカードを登録し、初期費用の決済が確認できた時点で契約成立、利用開始となります。犯罪収益移転防止法に準拠したオンライン本人確認(eKYC)が導入されているため、来店せずに手続きを完了できます。
個人事業主として新規に法人を設立する場合は、住民票・印鑑登録証明書・身分証明書に加えて、事業計画書や取引先との契約書のコピーなど、事業内容がわかる書類の提出が求められます。既存の法人として申し込む場合は、履歴事項全部証明書・印鑑証明書・代表者の身分証明書が必要です。書類に不備があると審査に時間がかかるため、事前に何を求められるか確認してから準備を始めるとスムーズです。
まとめ
バーチャルオフィス1は、月額880円+郵送費用という料金の中に法人登記・郵便転送・来客対応をまとめて含めた、プラン選びに迷いたくない人向けのバーチャルオフィスです。安さだけでなく「法人登記込みかどうか」「郵便転送が何回まで無料か」を基準に比較すると、この価格設定の位置づけがわかりやすくなります。一方で、士業などの許認可業種は利用できない点、審査がある点は事前に理解しておく必要があります。
よくある質問
Q. 個人事業主でも契約できますか?
はい、可能です。新規に法人を設立する予定の個人事業主も申し込めますが、その場合は住民票・印鑑登録証明書・身分証明書に加えて、事業計画書や取引先との契約書のコピーなど事業内容がわかる書類の提出が求められます。
Q. 引っ越しをしたら登記住所はどうなりますか?
バーチャルオフィス1の住所を登記住所として使っている場合、自分の自宅を引っ越しても登記住所自体は変わりません。実際に登記住所を変更する必要があるのは、バーチャルオフィス自体を解約・変更するときだけなので、頻繁に引っ越す働き方の人ほどメリットを感じやすい仕組みです。
Q. 郵便物はどのくらいの頻度で届きますか?
基本プランには月4回の転送が含まれています。それ以上の転送が必要な場合や、急ぎで受け取りたい郵便物がある場合は、スポット転送(550円+発送費用)を利用する形になります。郵便物の少ない業種であれば基本プランの範囲で十分足りることが多いです。
Q. 途中で解約できますか?
年間契約・単月契約のいずれも用意されているため、まずは単月契約で試してから年間契約に切り替える、という使い方もできます。具体的な解約条件や違約金の有無は契約時期によって変わる可能性があるため、契約前に最新の利用規約を確認しておくと安心です。
Q. 士業として開業する場合も使えますか?
税理士・弁護士・司法書士・行政書士などの士業は、許認可の都合上バーチャルオフィスの住所を事務所所在地として使うことができません。士業として開業する場合は、実際に事務所を借りる必要があります。
迷ったときは、まず単月契約で実際の使い勝手(郵便物の転送スピードやLINE通知のタイミングなど)を試し、問題がなければ年間契約に切り替えるという段階的な進め方をとると、初期費用を抑えつつ自分の事業に合うかどうかを見極めやすくなります。
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※料金・サービス内容は変更される場合があります。最新情報は公式サイトでご確認ください。
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