📝 この記事について(2026年9月22日 重要な訂正)
公開時(2026年9月8日)、この記事は「2026年10月1日から控除割合が80%→50%に下がる」と書いていました。これは誤りでした。正しくは80%→70%です。
令和8年度税制改正により経過措置の適用期限が2年延長され、控除割合が「70%→50%→30%」の3段階に見直されています。国税庁の特設ページ「令和8年度税制改正特集」で確認し、本文を全面的に修正しました。誤った情報をお届けしていたことをお詫びします。
なお、この記事は一般的な情報の整理であり、税務上の判断ではありません。個別の取扱いは顧問税理士にご確認ください。(基準日:2026年9月22日)
インボイス制度には、免税事業者からの仕入れについて一定割合を仕入税額として控除できる「経過措置」があります。この控除割合が2026年10月1日から段階的に縮小するため、国税庁の一次情報で内容を確認しておきます。
経過措置とは(前提の確認)
インボイス制度の下では、原則として適格請求書発行事業者(インボイス発行事業者)以外からの仕入れは仕入税額控除ができません。ただし、急激な負担増を避けるため、免税事業者などからの仕入れについても、一定期間・一定割合を仕入税額として控除できる経過措置が設けられています。
いつ・どう変わるか(事実・国税庁一次情報)
国税庁のタックスアンサーによると、経過措置の控除割合は次のように段階的に縮小します。
- 2023年10月1日〜2026年9月30日:仕入税額相当額の80%を控除可能(現行)
- 2026年10月1日〜2028年9月30日:70%
- 2028年10月1日〜2030年9月30日:50%
- 2030年10月1日〜2031年9月30日:30%
- 2031年10月1日以降:経過措置は終了(控除なし)
つまり、2026年10月1日を境に控除割合は「80%→70%」に下がります。一気に50%まで落ちるわけではありません。
なぜ情報が食い違うのか:改正前の法令では「2026年10月から3年間50%、その後は控除なし」と定められていました。国税庁のタックスアンサーなど、改正前の法令を基準日とするページには、いまもこの内容が載っている場合があります。国税庁が間違っているわけではなく、ページごとに「いつ時点の法令か」が違うということです。最新の内容は、下記の「令和8年度税制改正特集」で確認できます。
適用には、帳簿・請求書等に経過措置の適用を受ける旨(「70%控除対象」等)の記載が必要な点は変わりません。2026年10月1日以降の取引からは、記載する割合が変わる点にご注意ください。
あわせて新設された上限:同一の「インボイス発行事業者以外の者」からの課税仕入れの合計額(税込)が、その年または事業年度で1億円(改正前:10億円)を超える場合、その超えた部分にはこの経過措置を適用できません。2026年10月1日以後に開始する課税期間から適用されます。小規模な事業者であれば、通常は関係しない要件です。
出典:国税庁 タックスアンサー No.6498「適格請求書等保存方式(インボイス制度)」
出典(改正後の内容):国税庁「令和8年度税制改正特集(インボイス経過措置の見直し等)」(2026年9月22日確認)
対象になるのはどんな取引か
この経過措置が関係するのは、インボイス発行事業者ではない相手(免税事業者や、登録していない個人事業主など)から仕入れ・外注をしている場合です。取引先がすでにインボイス発行事業者として登録済みであれば、この経過措置自体は関係ありません。
実務への影響・準備しておきたいこと
- 免税事業者や未登録の個人事業主に外注・仕入れがある場合、2026年10月以降は控除できる金額が減り、実質的なコスト負担が増える
- 取引先がインボイス発行事業者として登録しているかどうかを、この機会に確認しておく
- 帳簿・請求書に経過措置適用の記載(「80%控除対象」等)が必要な点は変わらないため、経理処理のルールを見直しておく
うちの場合(現状把握中)
この記事を書いている時点では、外注先や仕入れ先にインボイス未登録の相手がどの程度いるかを、まだ洗い出せていません。2割特例終了の件とあわせて、10月以降の消費税実務をどう変えるかを顧問税理士に相談する予定です。
まとめ
免税事業者等からの仕入れに関する経過措置の控除割合は、2026年10月1日から80%→70%に縮小します。その後は2028年10月から50%、2030年10月から30%、2031年10月以降は控除なしと、段階的に縮小していきます。
免税事業者や未登録の個人事業主との取引がある場合は、コスト影響を早めに確認しておくのが安全です。決算期に関係なく、2026年10月1日以後の課税仕入れから効いてくる点にご注意ください。

