📢 この記事について:制度の中立的な解説ではなく、インボイス制度に対するれん個人の意見・本音を書いた記事です。数字や制度の部分は出典を明記していますが、評価の部分は完全に主観です。
👤 れん|20代経営者
20代で起業した株式会社代表(法人3期目)。会社と個人のお金で迷ったこと・失敗したことを発信しています。
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結論:本来2期は免税でいけたはずなのに、インボイスのせいでそうならなかった
資本金1,000万円未満の新設法人には、設立から最大2期、消費税が免税になる制度があります(国税庁の基準期間なしの特例、設立2期目は特定期間の課税売上高・給与等支払額が1,000万円以下であることが条件)。うちの会社も本来ならこの制度を使えたはずでした。でも実際には、早い段階でインボイス登録=課税事業者になる選択をすることになりました。制度上の免税期間があるのに、それを実質使えなかった。ここに正直、納得がいっていません。
そもそもの言葉の整理|免税事業者・課税事業者・インボイスって何が違う?
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 免税事業者 | 消費税を納める義務が免除されている事業者。原則、基準期間(2期前)の課税売上高が1,000万円以下等の条件を満たす場合に該当 |
| 課税事業者 | 消費税を納める義務がある事業者 |
| インボイス(適格請求書) | 登録番号や税率ごとの消費税額などが記載された請求書。買い手側がこれを受け取らないと、原則、仕入税額控除が使えない |
| インボイス発行事業者(登録事業者) | 税務署に登録し、インボイスを発行できる事業者。登録すると自動的に課税事業者になる(免税事業者のままではインボイスを発行できない) |
| 仕入税額控除 | 買い手が、自分が支払った消費税分を自分の納税額から差し引ける仕組み。原則インボイスが必要(免税事業者からの仕入れは経過措置で一部のみ控除可) |
要するに、免税事業者のままだとインボイスを発行できず、取引先は仕入税額控除を満額使えなくなる。だから「免税事業者のままでもいい」という制度上の建前と、「実際には登録しないと取引で不利になる」という現実がズレている、というのが次の話です。
なぜ「免税でいい」が通用しなくなったのか
理由は単純です。取引先からすると、免税事業者(インボイス未登録)に支払った分は仕入税額控除ができません。つまり同じ金額を払うにしても、登録事業者に払うほうが取引先にとって得なんです。だから発注側は、無意識にでも登録事業者を選びやすくなるし、既存の取引でも登録を求められる場面が出てくる。免税事業者のままでいることは制度上は合法でも、事業を回していく上ではじわじわ不利になっていく。この構造ができた時点で、「免税を選べる自由」は建前でしかなくなったと思っています。
正直な感想:これは「くそ制度」だと思っている
国の税収を増やしたいという理屈は分かります。でも、「登録は任意です」と言いながら、登録しない事業者が事実上取引で不利になる仕組みを作っておいて、「選択の自由はある」という顔をするのは、ちょっとふざけてるだろと思っています。新規に事業を始める人にとっても厳しい話です。本来なら、売上が軌道に乗るまでの2年間くらいは消費税の心配をせずに動けたはずなのに、その猶予が実質的に奪われた状態でスタートすることになる。制度設計として、これは弱い立場の人にしわ寄せがいく形になっていると感じています。
【最新ニュース】令和8年度税制改正で、実はスケジュールが少し緩和された
ここからは2026年8月時点の最新情報です。インボイス登録事業者の負担を抑えていた「2割特例」は、2026年9月30日で終了します。個人事業者(フリーランス等)に限っては、この後「3割特例」に切り替わり、2028年度まで延長される見込みです。
そして本題の「免税事業者からの仕入れをどこまで控除できるか」の経過措置ですが、実はつい最近(令和8年度税制改正大綱)、当初の計画から少し緩和されました。分かりやすく言うと、値引き幅が「一気に半分になる」予定だったのが、「もう少し段階を踏んでゆっくり下がる」形に変わったということです。
| 期間 | 免税事業者からの仕入れの控除割合 |
|---|---|
| 〜2026年9月30日 | 80%(現行) |
| 2026年10月1日〜2028年9月30日 | 70%(改正で新設。当初は50%になる予定だった) |
| 2028年10月1日〜2030年9月30日 | 50% |
| 2030年10月1日〜2031年9月30日 | 30% |
| 2031年10月1日〜 | 0%(控除なし) |

たとえるなら、免税事業者からの仕入れは「じわじわ色あせていく金券」みたいなものです。最初は8割分の価値があるけど、時間が経つほど価値が目減りしていって、最終的にはただの紙になる。今回の改正は、その色あせるスピードを少しゆっくりにしただけで、最終的にゼロになる方向自体は変わっていません。しかも、年間の取引額が1億円を超える大口の仕入れについては、2026年10月以降、この経過措置自体が使えなくなるという上限も新しく設けられました。要は、免税事業者との取引を続けるハードルは、これからも上がり続けます。「緩和された」というニュースだけ見て安心していいものではないな、というのが率直な感想です。
※本記事の数字・制度の情報は2026年8月時点で確認したものです(令和8年度税制改正大綱の内容を反映)。今後の国会審議等で変更される可能性があるため、正確な取り扱いは国税庁の公式情報または顧問税理士にご確認ください。
それでも、今できる判断はある
制度への不満はありますが、不満を言うだけでは経営は回りません。実際にうちがやったのは、登録するかどうかを感情ではなく「取引先との力関係」で判断することでした。発注側が大手・法人中心で、仕入税額控除を重視する相手が多いなら、早めに登録したほうが取引を失うリスクは減ります。逆に、個人客中心の商売で取引先が仕入税額控除を気にしないなら、免税のメリットを取りにいく選択も一応あります。制度そのものへの怒りと、自社の経営判断は分けて考える必要がある、というのが今の結論です。
次にやっていること
正直、この制度が好きになる日は来ないと思いますが、文句を言い続けても状況は変わらないので、経過措置の縮小スケジュールだけは毎年チェックして、取引先との条件交渉に活かすようにしています。うちと同じように「本当はもっと免税でいけたはずなのに」と感じている経営者は、たぶん結構いるはずです。

