📝 この記事について:本記事の締切・補助率・上限額は、中小企業庁および中小企業基盤整備機構(中小機構)の公式サイトに2026年9月22日時点で掲載されている情報にもとづいています。今後の公募回のスケジュールは「確定次第、順次公表」とされているものもあるため、実際に申請する際は必ず各補助金の公式サイトで最新情報を確認してください。特定の補助金の利用を推奨するものではありません。
「補助金って結局いつまでに申請すればいいんだっけ」——中小企業向けの補助金は公募回がいくつもあり、締切もそれぞれ異なるため、公式サイトを見ても把握しにくいものです。この記事では、2026年9月時点で申請可能な「デジタル化・AI導入補助金」と、締切が延期された「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」の最新スケジュールを整理します。
デジタル化・AI導入補助金:直近は第5次(締切9月29日)、第6次・第7次も日程確定済み
| 正式名称 | デジタル化・AI導入補助金2026(中小企業デジタル化・AI導入支援事業、旧IT導入補助金) |
|---|---|
| 対象者 | 中小企業・小規模事業者等。業種ごとに資本金・従業員数の基準があり、目安は製造業等が資本金3億円以下または従業員300人以下、卸売業が1億円以下または100人以下、サービス業が5,000万円以下または100人以下、小売業が5,000万円以下または50人以下。小規模事業者は商業・サービス業5人以下、宿泊業・娯楽業20人以下、製造業その他20人以下が目安。 |
| 補助率・補助額(通常枠) | 補助率1/2以内(一定の賃上げ要件を満たすと2/3以内)。補助額は1プロセス以上のITツールで5万円以上150万円未満、4プロセス以上で150万円以上450万円以下。インボイス枠・セキュリティ対策推進枠などほかの枠は上限額が異なる。 |
| 直近の締切実績 | 第5次:2026年9月29日(火)締切(現在申請受付中、交付決定は11月9日予定) 第4次(2026年8月25日締切・受付終了)の採択発表は2026年10月7日(水)予定 |
| 次回の予定 | 第6次:2026年10月30日(金)締切(採択発表12月10日予定) 第7次:2026年12月1日(火)締切(採択発表2027年1月19日予定) |
| 申請に必要なもの | GビズIDプライムアカウント、登録済みのIT導入支援事業者(ベンダー)との共同申請、SECURITY ACTION自己宣言、交付申請システムでの電子申請 |
セキュリティ対策の導入を検討している場合は、IT導入補助金2026「セキュリティ対策推進枠」のまとめもあわせてご覧ください。
中小企業・小規模事業者向けにITツール(ソフトウェア・クラウドサービスなど)の導入を支援する「デジタル化・AI導入補助金2026」(旧IT導入補助金)は、通常枠・インボイス枠・セキュリティ対策推進枠などで、直近の締切が第5次:2026年9月29日(火)17:00となっています。交付決定は11月9日(予定)です。
中小機構の「補助金活用ナビ」に掲載されている最新の事業スケジュール(2026年9月11日更新)によると、通常枠・インボイス枠・セキュリティ対策推進枠は第6次:申請締切2026年10月30日(金)17:00(採択発表12月10日予定)、第7次:申請締切2026年12月1日(火)(採択発表2027年1月19日予定)まで日程が確定しています。あわせて「複数者連携デジタル化・AI導入枠」の第3次締切も同じく10月30日(金)17:00です。回によって締切日が異なるため、申請前に自分が使う申請枠の締切を公式スケジュールページで直接確認してください。
対象経費はソフトウェア購入費やクラウド利用費(最大2年分)、導入関連費などです。補助率・上限額は申請枠によって異なるため、会計ソフトの導入など具体的な用途が決まっている場合は、対象ツールとして登録されているかを事前に確認しておくと申請がスムーズです。
見落とされがちな対象経費:セキュリティ対策サービスの利用料も使える
デジタル化・AI導入補助金というと会計ソフトや業務システムの導入をイメージしがちだが、IPA(情報処理推進機構)が案内している「サイバーセキュリティお助け隊サービス」の利用料も、この補助金の支援対象とされている(IPA公式サイト、2026年9月18日確認)。中小企業向けにセキュリティ対策をワンパッケージで提供するサービスで、単体では後回しにしがちな費用を補助金側で拾えることになる。
該当するサービスや枠の条件は事務局の公募要領で必ず確認してほしいが、「うちはツール導入の予定がないから関係ない」と思っていた人ほど、一度見ておく価値がある項目。
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金:第1回は締切が1ヶ月延期
| 正式名称 | 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 ※似た名前の「中小企業新事業進出補助金」「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」とは別の制度です(公式サイトでも別物と明記されています) |
|---|---|
| 対象者・対象事業(3枠) | 革新的新製品・サービス枠:自社の技術力を活かした革新的な新製品・新サービスの開発(既存製品の改善や単なる設備導入のみは対象外) 新事業進出枠:既存事業とは異なる新市場・高付加価値事業への進出(自社にとっての新規性でよい) グローバル枠:海外市場開拓(輸出)に向けた国内製造等拠点の強化 |
| 補助率・上限額(従業員数別、賃上げ特例適用時は括弧内) | 革新的新製品・サービス枠:1〜5人750万円(850万円)/6〜20人1,000万円(1,250万円)/21〜50人1,500万円(2,500万円)/51人以上2,500万円(3,500万円)。補助率1/2(条件により2/3)、小規模・再生事業者等2/3。補助下限額100万円。 新事業進出枠:1〜20人2,500万円(3,000万円)/21〜50人4,000万円(5,000万円)/51〜100人5,500万円(7,000万円)/101人以上7,000万円(9,000万円)。補助率1/2(条件により2/3)。補助下限額750万円。 グローバル枠:上限額は新事業進出枠と同区分、補助率2/3固定。補助下限額750万円。 |
| 直近の締切実績 | 令和8年度新設の制度で、これが第1回(初回公募)。公募開始2026年6月29日、当初締切2026年9月30日→2026年10月30日(金)18:00厳守に延期 |
| 次回の予定 | 第2回以降のスケジュールは本稿執筆時点(2026年9月)で未公表 |
| 申請に必要なもの | 電子申請システムのみ受付(GビズIDプライム必須)、補助事業計画書。採択後は3〜5年間で「付加価値額+4.0%/年」「給与支給総額+3.5%/年」「事業場内最低賃金が地域別最低賃金+30円以上」の達成が必要で、未達の場合は補助金の一部または全額の返還義務が生じることがある点に注意。 |
参考:統合前の「中小企業新事業進出補助金」はどのくらい採択されていたか
「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」は2026年度に新設された制度のため、まだ採択実績がありません。判断材料として、統合前の「中小企業新事業進出補助金」(第4回の公募をもって受付終了)の実績を見ておくと参考になります。事務局が公表している数字は次のとおりです。
| 公募回 | 応募者数 | 採択者数 |
|---|---|---|
| 第1回 | 3,006者 | 1,118者 |
| 第2回 | 2,350者 | 832者 |
| 第3回 | 1,212者 | 423者 |
応募者数は回を追うごとに減っていますが、採択者数も同じように減っているため、通る割合そのものは3回ともおおむね3割台半ばで安定しています(応募者数と採択者数から単純計算したもので、事務局が公表している採択率ではありません)。「後の回ほど倍率が下がって狙い目」という見方は、少なくともこの制度では当てはまりませんでした。制度は変わりますが、「出せば通る」ものではないという前提で準備時間を見積もるのが現実的です。
新規事業への進出や技術的革新性のある製品・サービス開発を支援する「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」の第1回公募は、当初の日程から申請受付開始が8月31日→9月30日、応募締切が9月30日→10月30日(金)18:00厳守に、それぞれ1ヶ月延期されています。「もう間に合わない」と判断していた場合、申請の余地が残っている可能性があります。
この補助金には3つの申請枠があり、補助率・上限額が異なります。革新的新製品・サービス枠は補助率1/2〜2/3、上限額は最大2,500万円(賃上げ特例適用時は最大3,500万円)。新事業進出枠は補助率1/2〜2/3、上限額は最大7,000万円(賃上げ特例適用時は最大9,000万円)。グローバル枠(海外市場開拓向け)は補助率2/3、上限額は最大7,000万円(賃上げ特例適用時は最大9,000万円)です。対象経費は機械装置・システム構築費、外注費、専門家経費、クラウドサービス利用費などが共通し、新事業進出枠・グローバル枠のみ建物費も対象になります。補助下限額(革新的新製品・サービス枠は100万円、新事業進出枠・グローバル枠は750万円)を下回る規模の投資では対象外になる点にも注意が必要です。
なお、公式サイトでは2026年9月1日付で、熊本地震の被害を受けた熊本県内の事業者について「審査において考慮する」との案内も掲載されていました。該当する場合は補助金コールセンターに個別相談できます。
まとめ:申請前に公式サイトで「自分の枠」の締切を確認する
デジタル化・AI導入補助金は第5次(9月29日締切)が直近の締切で、第6次(10月30日締切)・第7次(12月1日締切)まで日程が確定しています。新事業進出・ものづくり補助金の第1回は10月30日締切に延期されているため、当初の日程で「間に合わない」と諦めていた場合は見直す価値があります。どちらも公募回・申請枠ごとに締切や補助率が異なるため、思い込みで判断せず、公式サイトで自分が使う枠の最新情報を確認してから準備を進めることをおすすめします。AIツールの導入を検討している場合は、補助金の対象ツールとして登録されているかもあわせて確認しておくとよいでしょう。
関連記事:小さな会社・一人社長が使える補助金・助成金まとめ【2026年9月版】
出典
・2026年度 補助金スケジュール一覧(中小機構「補助金活用ナビ」、2026年9月11日更新)
・デジタル化・AI導入補助金2026 事業スケジュール(事務局公式サイト)
・デジタル化・AI導入補助金2026の公募要領を公開しました(中小企業庁)
・新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(中小機構公式サイト)
・新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の第1回公募要領を公開しました(中小企業庁)

