📢 この記事について:数字や制度の解説ではなく、20代経営者としての本音を書いた記事です。
れん|20代経営者
20代で起業した株式会社代表(法人3期目)。会社と個人のお金で迷ったこと・失敗したことを発信しています。▶ 詳しいプロフィール
役員報酬をいくらにするか。これ、経営者になって一番答えが出ない問いかもしれない。
ネットで調べれば「利益水準に応じた最適額」のシミュレーションはいくらでも出てくる。うちのブログでも計算式を書いた。でも実際に経営してみると、あの手の”最適解”は参考程度にしかならない。3期経営してきて、毎期この数字で悩んでいる自分がいる。
この記事では制度の話は最小限にして、実際に3期分の役員報酬をどう決めてきたか、その時々で何を迷ったかを正直に書く。
1期目:相場もわからず、とにかく低めにした
創業した年は、正直「いくらにすべきか」を判断する材料が何もなかった。売上の見込みも、フランチャイズ本部へのロイヤリティ負担がどれくらい重くのしかかるかも、実際に事業を回してみるまでわからない。
だから1期目の役員報酬は、生活が最低限回る金額まで削って設定した。理由はシンプルで、「後から上げるのは簡単だけど、一度上げた報酬を下げるのは心理的にも実務的にもきつい」と聞いていたから。実際、社会保険料は報酬月額に連動するので、下げれば保険料も下がるとはいえ、生活水準を落とす決断は簡単じゃない。だったら最初から低く始めて、様子を見ながら上げる方が安全だと判断した。
この判断が正しかったのかは、正直今でもわからない。ただ、事業が軌道に乗るかどうかもわからない段階で高い報酬を取っていたら、資金繰りの面でもっと苦しんでいたと思う。
2期目:一度上げることを検討して、結局見送った
2期目に入って売上が安定してきたタイミングで、役員報酬を上げるかどうかを本気で検討した。法人に利益を残しすぎると法人税の負担が重くなるし、そろそろ自分の生活にも少し余裕を持たせたい気持ちもあった。
でも結局見送った。理由は主に2つ。
1つは、フランチャイズ事業特有の固定費(ロイヤリティや店舗運営コスト)が想定より変動しやすく、手元資金に余裕を持たせておきたかったこと。もう1つは、報酬を上げると社会保険料が労使折半とはいえ法人側の負担も増えるので、「法人税が減る分、他のコストが増える」構造をきちんと計算した結果、今の事業フェーズでは報酬を据え置いて法人に利益を残す方が合理的だと判断したこと。
正直、目先の生活だけを考えれば上げたい気持ちはあった。でも創業前に生活防衛資金をある程度確保していたので、「今は我慢できる」という判断ができた。この生活防衛資金がなかったら、冷静な判断はできなかったと思う。
3期目の今、また同じことで悩んでいる
3期目に入った今も、正直また役員報酬の見直しを迷っている。事業は少しずつ安定してきたが、2026年4月からは課税所得2,400万円を超えると防衛特別法人税という新しい負担も出てくる。役員報酬を上げて法人の課税所得を抑えるべきか、それとも今のフェーズでは引き続き利益を残して再投資に回すべきか。
結論から言うと、まだ決めきれていない。毎年同じことで悩んでいるので、「経営者は一度決めたら終わり」ではなく「毎期、状況を見ながら決め直し続けるもの」というのが3期やってみての実感だ。
3期経営してわかった「役員報酬に唯一の正解はない」ということ
役員報酬の最適額は、教科書的には法人税・所得税・社会保険料のバランスで計算できる。でも実際には、事業のフェーズ、手元資金の余裕、生活防衛資金の有無、その年の税制変更など、数字だけでは割り切れない要素が絡み合う。
だから「役員報酬はこの計算式で決めれば正解」という情報を見るたびに、少し違和感がある。計算式は出発点であって、そこから先は経営者本人の状況判断でしかない、というのが正直な感想だ。
これから役員報酬を決める人へ
もしこれから起業して役員報酬を決める立場になるなら、伝えたいことは2つ。
1つ目は、生活防衛資金を事業を始める前にできる限り確保しておくこと。役員報酬をどう設定しても、手元に余裕がなければ冷静な判断はできない。2つ目は、役員報酬は一度決めたら終わりではなく、毎期見直す前提で考えること。最初から完璧な金額を出そうとしなくていい。自分も3期目の今も正直迷い続けている。
まとめ
役員報酬は法人税・社会保険料・所得税のバランスで計算できる部分と、事業フェーズや生活防衛資金の状況で判断するしかない部分がある。3期経営してきて言えるのは、「唯一の正解」を探すよりも、その時々の状況で納得できる金額を選び、毎期見直し続ける方が現実的だということだ。
⚠️ 本記事について(必ずお読みください)
- 本記事は筆者個人の経営判断・体験に基づく内容であり、税務・社会保険に関する助言を目的とするものではありません。
- 役員報酬の設定は会社の状況によって最適解が異なります。実際の決定にあたっては税理士・社会保険労務士にご相談ください。
- 制度・税率は変更される場合があります。最新情報は国税庁・厚生労働省の公式サイトをご確認ください。
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