2025年以降、日銀が利上げを続けているいま、「定期預金が熱い」という話を耳にする機会が増えた。ゼロ金利時代は完全に終わり、ネット銀行の定期預金では年1.4%という、10年前なら考えられなかった金利が普通に存在する。
僕自身、経営者として手元の余裕資金をどこに置くか常に考えているが、正直2025年あたりまでは「定期預金なんて意味ない」と思っていた。それが今は違う。投資と定期預金を使い分ける時代が来ている。
この記事では、2026年6月時点の最新金利データをもとに、主要ネット銀行の定期預金を徹底比較する。どの銀行が最もお得で、どう使い分ければいいのかを解説していく。
高金利時代はなぜ来た?日銀の利上げを整理する
日本銀行は2024年3月にマイナス金利政策を解除し、その後段階的に利上げを続けている。2025年12月時点で政策金利は0.75%まで引き上げられており、2026年中にも追加利上げが検討されている状況だ。
この政策転換の背景は大きく2つある。1つは賃金上昇の定着で、2024年から3年連続で歴史的な春闘賃上げが実現し、日銀が目標としていた「賃金と物価の好循環」が現実のものになった。もう1つはインフレの継続で、エネルギーや食料品を中心とした物価上昇が長期化している。
金利が上がると何が変わるか。端的に言えば、預金でもお金が増えるようになる。メガバンクの定期預金ですら0.375%(2026年6月時点)に上昇しており、ゼロ金利時代の0.002%と比べると実に190倍近い水準だ。
メガバンクとネット銀行の金利差【2026年6月最新】
まずは大前提として、メガバンクとネット銀行の金利差を確認しておこう。
| 銀行名 | 1年もの定期預金金利 | 備考 |
|---|---|---|
| 三井住友銀行 | 0.375% | メガバンク |
| 三菱UFJ銀行 | 0.375% | メガバンク |
| みずほ銀行 | 0.375% | メガバンク |
| SBJ銀行(はじめくん) | 1.40% | ネット銀行 最高水準 |
| SBI新生銀行(新規) | 1.40% | 新規口座開設者限定 |
| 東京スター銀行 | 1.30% | 50万円以上・インターネット限定 |
| auじぶん銀行(新規) | 1.20% | 新規口座開設者限定 |
| ソニー銀行 | 1.10% | 1,000円から |
| あおぞら銀行BANK | 1.00% | 普通預金(2026年7月利上げ) |
| PayPay銀行 | 0.40% | ネット銀行 |
※金利はいずれも税引前。2026年7月2日時点の情報。
100万円を1年預けた場合、メガバンクの利息(税引後)は約2,987円。SBJ銀行なら約11,152円。差額は約8,000円で、銀行を変えるだけでこれだけ差が出る。
注目ネット銀行5行を詳しく解説
① SBJ銀行「はじめくん」―1年・3年ともに1.40%の圧倒的な高金利
SBJ銀行は韓国系の銀行だが、日本の預金保険制度の適用を受けており、1,000万円+利子までは保護される。「はじめくん」は預入金額10万円〜500万円以下の定期預金商品で、1年・3年ともに1.40%、5年は1.45%という業界トップ水準の金利を誇る。
ATM手数料もセブン銀行・イオン銀行で月10回まで無料と充実している。唯一の注意点は、「はじめくん」の上限が500万円までな点。それ以上預けたい場合は「スーパー定期預金」(キャンペーン金利1.35%)を使おう。
② SBI新生銀行―新規開設なら1.40%、誰でも使える商品も充実
SBI新生銀行の「スタートアップ円定期預金」は新規口座開設者限定で1年1.40%。SBIグループ傘下なのでSBI証券と連携しやすく、証券と銀行を一体で使いたい人に特に向いている。
新規でない既存ユーザー向けには「パワーダイレクト円定期預金30」(1年0.80%)もある。また2週間満期の短期定期預金も提供しており、「すぐ使う可能性があるお金」の一時置き場としても使いやすい。
③ ソニー銀行―積立定期1.10%でコツコツ派に最適
ソニー銀行は通常の定期預金でも1年1.10%を提供しており、積立定期も同じ1.10%。積立金額は1,000円から設定できるため、毎月少額ずつ積み立てたい人に向いている。Visaデビット付きキャッシュカードで日常使いもしやすく、メインバンクとして使いながら定期預金も活用できる銀行だ。
④ あおぞら銀行BANK―普通預金0.75%という異次元の高さ
あおぞら銀行BANKの最大の特徴は、残高100万円まで普通預金金利が年0.75%という点だ。定期に縛られずいつでも出し入れできて0.75%はかなり魅力的。定期「BANK The 定期」は1年0.90%で、普通預金と組み合わせて資金を柔軟に置き換えながら使う戦略が有効だ。
ゆうちょ銀行ATMが何度でも手数料無料な点も地味に便利で、生活費を置く普通預金として活用しつつ、余剰資金を定期に回す使い方がおすすめ。
⑤ auじぶん銀行―au経済圏ユーザーなら普通預金も高金利に
auじぶん銀行は新規口座開設者向けの「デビュー応援定期預金」で3か月1.35%・1年1.20%と高金利。さらにauサービスとの連携で普通預金金利も最大0.65%まで引き上げられる。au PAYカードやauの携帯を使っているなら、メインバンクをauじぶん銀行にするだけで資産が着実に増えていく仕組みだ。
僕の定期預金の使い方(経営者目線)
会社の余裕資金と個人の生活防衛資金の置き場として、僕は定期預金を活用している。運転資金や半年以内に使う可能性のあるお金は普通預金(あおぞら銀行BANK:0.75%)に。1年以上確実に使わない資金は定期預金(SBJ銀行:1.40%)に入れている。
NISAやiDeCoで長期投資をしつつ、定期預金で「安全資産の部分」をしっかり運用するという二刀流だ。リスクを取りたくない部分を定期預金で1.40%回せるなら、全額リスク資産に突っ込む必要はない。守りの運用として定期預金は今や現実的な選択肢になった。
定期預金を選ぶときの3つのポイント
定期預金選びで見るべき点は金利だけではない。特に以下の3点を必ずチェックしてほしい。
① 途中解約のリスク:定期預金は満期前に解約すると金利が大幅に下がる(多くの場合0.01〜0.02%程度)。預ける期間中は確実に使わない資金だけを入れること。生活防衛資金は別に普通預金で持っておくのが基本。
② 預入金額の条件:SBJ銀行の「はじめくん」は500万円以下、東京スター銀行の高金利商品は50万円以上など、金利の高い商品には金額条件がある場合が多い。自分の預入額に合う商品かを確認しよう。
③ 新規限定かどうか:SBI新生銀行やauじぶん銀行の最高金利商品は新規口座開設者限定。既に口座を持っている場合は対象外になる。まだ口座を持っていない銀行がある場合は、今が口座開設のチャンスとも言える。
よくある質問(FAQ)
Q. 定期預金は元本保証されますか?
A. はい。預金保険制度により、1金融機関あたり元本1,000万円+利息までは保護されます(ペイオフ制度)。SBJ銀行も日本の預金保険制度の対象です。1,000万円を超える場合は複数の銀行に分散するのがセオリーです。
Q. 今後も金利は上がりますか?
A. 野村證券などのアナリストは2026年中にも追加利上げがあると予測しています。ただし確定ではなく、景気動向や円相場次第で変わる可能性があります。「今の1.40%を確保しておく」という意味でも、今すぐ定期預金に入れるのは一つの選択肢です。
Q. NISAと定期預金、どちらを優先すべきですか?
A. まず生活防衛資金(生活費の3〜6ヶ月分)を定期預金や高金利普通預金で確保し、その上でNISAで長期投資するのが基本的な順番です。定期預金とNISAは「守り」と「攻め」の役割が異なるため、どちらか一方ではなく両立させるのが理想です。
まとめ:高金利時代は定期預金も「使える」手段になった
2026年6月時点の主要ネット銀行定期預金金利をまとめると以下のとおりだ。
- SBJ銀行(はじめくん):1年1.40%(10万〜500万円)
- SBI新生銀行(新規限定):1年1.40%(30万円〜)
- 東京スター銀行:1年1.30%(50万円〜、インターネット限定)
- auじぶん銀行(新規限定):1年1.20%
- ソニー銀行:1年1.10%(1,000円〜)
- あおぞら銀行BANK:1年0.90%(普通預金0.75%)
ゼロ金利時代は「預金より投資」が正解だったが、今は預金にも意味が出てきた。投資は継続しつつ、使わない資金は定期預金に入れてしっかり増やす。これが2026年のお金の正しい動かし方だ。まずは口座を持っていないネット銀行に一つ口座を開いてみることから始めてみてほしい。
NISAの始め方や証券会社選びについては、以下の記事もあわせて参考にしてみてください。
▶ 新NISAはいくらから始める?つみたて投資枠の最適な金額を解説【2026年版】
▶ NISA口座はSBI証券と楽天証券どっちがいい?【2026年版】
[sc name=”faq” question1=”定期預金は元本保証されますか?” answer1=”はい。預金保険制度により、1金融機関あたり元本1,000万円+利息までは保護されます。1,000万円を超える場合は複数の銀行に分散するのが安全です。” question2=”今後も金利は上がりますか?” answer2=”日銀の追加利上げ観測が続いており、2026年中にも追加利上げが予測されています。ただし確定ではなく景気動向次第です。” question3=”NISAと定期預金、どちらを優先すべきですか?” answer3=”まず生活防衛資金を高金利の定期預金・普通預金で確保し、その後にNISAで長期投資するのが基本です。両立させることで守りと攻めのバランスが取れます。”]
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※本記事は情報提供を目的としており、投資・税務・法律等の専門的なアドバイスを行うものではありません。投資には元本割れのリスクがあります。投資・資産運用の判断はご自身の責任でお願いします。不安な場合は税理士・ファイナンシャルプランナー等の専門家にご相談ください。

